1993年アメリカ 監督 ジム・シェリダン キャスト ダニエル・デイ=ルイス エマ・トンプソン ピート・ポスルスウェイト ジョン・リンチ ビーティー・エドニー
1974年にロンドンで起きた爆破事件。アイルランドの青年ジェリーは、爆破犯のテロリストとして無実の罪を着せられる・・・そして裁判の結果、彼は終身刑を宣告され・・・
暴力とおどしに屈し、一度は自白書を書かされてしまうジェリーと友人たち。 あまりにもひどいロンドン警察のやりかたに、憤慨しながら観ていたのですが・・・。もう、あきれてしまいましたね!ジェリーの父や叔母、幼い従弟たちまで容疑をかけられて・・・ ジェリーは父への反発から自堕落でへらへらした生活を送ってきた若者。父とともに投獄されてからも(一緒の部屋に入ることってできるんですかね・・・親子で)一生懸命冤罪を晴らそうと努力する父の姿を反発しながら見ている。 父に怒りをぶちまけたり、薬におぼれてみたり、自暴自棄になって。そんな息子をしっかりと支えようとする父親ジュゼッペの姿には胸が痛くなった。(ピートさんて、ちょっとアクのある顔ですが、とても存在感ありますね〜) 監獄で病死したジュゼッペを思って、囚人たちが窓から燃やした紙を投げるシーン。送り火のようなその火の美しさ、悲しさ・・とても印象的なシーンでした。
父の死により、少しづつ変わって来るジェリー。自分もそうだけど、無実のまま死んでしまった父のために・・という思いが彼を動かしたのでしょう。 ダニエルの顔つきがだんだんとしまってきて、とてもしっかりとした顔になってきます。
この映画、家族全員で観ていたのですが、もうみんな必死に観ていましたね。どうにかならないの!!って思いながら。 そこにエマ・トンプソンの弁護士が登場して。彼女が登場するとなぜかほっとします。頼りになりそうで。 彼女がなぜこの事件にかかわるようになったのか、そのあたりが全く描かれていないのが少し残念ですが。
ラスト、裁判所の玄関に堂々と向かうジェリーの姿が力強い。 実話から作られたこのお話、もちろん免罪事件を焦点にしているのですが、それを通して親子というものをしみじみと考えさせられる名作だと思います。
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