| 2003年05月17日(土) |
「めぐりあう時間たち」 |
2002年アメリカ 監督 スティーブン・ダルドリー キャスト ニコール・キッドマン ジュリアン・ムーア メルリ・ストリープ エド・ハリス トニ・スコット クレア・ディンズ ジェフ・ダニエルズ
ヴァージニア・ウルフの書いた「ダロウェイ夫人」・・この物語を軸に時を違えて生きる三人の女性たちの一日。 執筆に身を削るかのような繊細な神経の持ち主、ヴァージニアは、ロンドンの生活を恋しく思い、田舎の生活の中で自分は死んでいると思う。
やさしい夫、かわいい子供を持つ主婦ローラは、理想的な妻、母を演じることに疲れ、ある決意をする。
友人の詩人のパーティーに奔走するクラリッサ。自由に生き不満もないような彼女、けれど詩人の彼から「自分のために生きてるのか?」と聞かれると答えられない。若い日の自分を思い出す・・・
誰のために生きてるのか?自分のための人生って・・? そんなこと考えたこともないわ、私。 愛されるだけで満足しちゃだめなの?その人のために生きるのでは? 決して彼女たちに共感したわけではないの。だのに涙が出てきた・・なぜだろう? 誰もが自分の人生の中では「主人公」だと思う。けれど、誰もが望んだ場所にいれるわけじゃない。孤独を感じ、自分の場所を探そうとする姿に感じるものがあったのかもしれない・・
中で一番気持ちがわかるような気がしたのはクラリッサだった。友人の世話をして生きてきて、でも同性の恋人もいるし、子どもも自分の意志で産んでて。詩人に生き方を指摘されて動揺するけど、彼女の中でもすでに疑問はあったと思うのね。だから揺らいでしまって・・ ローラはね・・う〜ん、あんなに可愛い子がいるのになあ・・ってやっぱり思っちゃう。あの子可愛いね。 「パパを愛してる証拠にケーキを作るのよ」って言う彼女に子どもが「証拠がいるの?」って聞くのよ。ドキッ! ヴァージニア・・・美しくも脆くて、そして激しい。ニコール、完璧です。
私たちの前にある「時間」。永久のようで、限りある時間。 朝が始まり、夜がくる。 ふう・・久しぶりにいろいろ感じさせられちゃう映画でした。あと引きずりそう。
後半三人をつなぐ糸・・これが見えたときはドキッとしましたね。見事です。 音楽もすばらしかったです。ぐんぐん引き込まれます。 サントラ欲しいなあ。
|