1997年アメリカ 監督ジョニー・デップ キャスト ジョニー・デップ マーロン・ブランド
ついに観てしまいました・・・ もう絶対一生観ないだろうなあ(おおげさですけど)と思っていた作品。 何年か前に原作を偶然手にして、読んだ時の衝撃!! こんなの絶対映画では観れない・・特に大好きなジョニーならなおさら・・って思っていたのですが。
原作と映画ではだいぶ違ってました。 原作では主人公は「スナッフ・ムービー」(実際に人を殺してそのシーンを撮影する映画)に出演すると決めたときに自分の命を自分で値段をつけていました。そして前金を受け取るのですが、それもわずかなもので、そのあとのお金をたしかに受け取るために頭をめぐらせ契約書を交わすことにするのです。だけど、彼は字が書けません。そのあと銀行に行ってサインをする場面もあるのですが、その時にも彼の書いたサインは・・・・ このあたりがすっごくせつなくて、悲しくて、命を捨ててお金を得ようとする彼を文盲という差別が(どう言ったらいいのか・・)打ちのめしていくのです。
映画ではそのあたりは出てきません。スナッフ・ムービーとはっきり言うわけでもないし、残酷なシーンの説明(原作ではかなりありました)もなかったです。けれど、映画ではゴミの山に埋もれたネイティブ・アメリカンの生活や居住地を追い出されようとする彼ら、主人公の家族との気持ちを描いて、これまたせつないのです。 これまで家族とうまく気持ちをつなげて来れなかった彼が、あと1週間で何をしようと思ったのか・・プレゼントを贈ったり、パーティを開いたり、そんなことで自分の気持ちを表してみたり。だけど、そんなものよりもっと妻や子どもが望んでいることがある・・やっと最後に心を通じ合わせることが出来たのは、彼の命の期限が切れる時だった・・ バスに乗り、街に出かけるラフェエル。 彼から後を頼まれた牧師の苦悩。自ら命を捨てようとする彼を一度は拒絶した牧師が、最後には牧師のカラー(っていうのかな、しるしみたいなの)を捨てて歩いていくところ。 ラファエルが訪れた約束のビルの冷たい扉が大きな音を立てて閉まるシーン。 映画も原作もどちらも忘れられないものになりそうです。
この映画のあとでは、お茶好きの私でもやっぱり濃いコーヒーを飲みたいですね。ラファエルが眠っている妻の枕もとにいつも置く1杯のコーヒー。 最後の朝も・・
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