2001年ポルトガル・フランス 監督マノエル・ド・オリヴェイラ キャスト ミシェル・ピコリ カトリーヌ・ドヌーブ ジョン・マルコヴィッチ アントワーヌ・シャペー
最近、こういうテンポの映画を観ていなかったので、最初はすごく戸惑いました。ひとつ・ひとつのシーンがとっても長く撮られています。時間もゆっくりと流れていくようです。 妻と娘夫婦を突然の事故で亡くした舞台俳優のヴァランス。 時間が流れ、彼の日常は以前と変わりなく流れているようです。いきつけのカフェのいつもの席、パリの風景。
少しづつこの映画のテンポに慣れてきた頃、ひとつひとつのシーンに想像する楽しみが生まれてきました。強盗に買ったばかりの新しい靴を奪われたヴァランス。古い靴を履いた彼の足のなんともいえない自信なげな動きを映し出すシーン。
代役で急遽出演することになった映画で、(自分より若い役の)メイキャップをしてもらうヴァランス。その長いシーンの彼の顔がなんともいえず不安げで、頼りなく見える・・
悲しいとか辛いとか、言葉では一言も語られないのに、どんどんと孤独や淋しさがあふれてくる・・
映画の中で何度も登場する劇のシーン。その中のセリフがなんとも意味深です。
音楽は、シャンソン。「巴里の空の下」が印象的。
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