雪さんすきすき日記
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2018年11月28日(水) 続々・「箱舟のノワール」のこと

 「箱舟のノワール」(Amamori Lab)の実績を全て達成したので感想を。

 沈みゆく大陸から脱出するために建造された巨大蒸気船ノワール号だが、航行中に嵐に出合い、浸水が始まってしまう。主人公は持ち前の幸運を駆使して沈みゆく船から脱出を図るが、この沈没事故にはとある陰謀が隠されていた。
 幸運という要素を特徴としたノンフィールドRPG。開始時に3人の主人公から1人を選び、その後スロットの数まで能力を底上げできるPerkを装備して、ノワール号からの脱出を目指す。ノワール号は5層構造で、最上層の脱出艇に到達するのが目的。ただし、船内には乗客と一緒に輸送されていた数々の猛獣が浸水時の衝撃で解き放たれており、主人公の前に敵として立ちはだかる。
 操作はマウスをクリックして行動を選択するのみ。ノンフィールドRPGなのでマップは一本道であり、前進する最中に戦闘やアイテム取得、回復、乗客の救出などの事象がランダムで発生する。戦闘は敵の体力を0にするか逃げることで終了する。敵を倒すか乗客を助けることで経験値が1つ(条件によっては2つ)手に入り、4つ溜まるとレベルアップする。レベルアップ時には、体力回復、幸運回復、攻撃上昇、防御上昇とそれぞれ3枚ずつ用意されたカードを1枚引けると共に、ランダムで選ばれたPerkを1つ選択できる。100歩歩くとボス戦となり、勝つと上の層に上ることができる。一方、戦闘時に主人公の体力が0になった時点でゲームオーバーとなる。
 この作品の特徴である幸運という要素は、戦闘で逃げる、アイテムを拾う、安全な部屋で回復する、乗客を救助する、レベルアップ時のPerkを変更するなど、重要な選択でほとんどの場合消費をする。幸運は有限で、10歩歩くごとに一定量回復する。回復量は幸運の最大値に比例する。幸運という資源を上手に運用して、主人公に有利な状況を引き寄せるのがこの作品の攻略となる。

 ノンフィールドRPGというとシステムに特徴を持たせるような傾向にあるが、この作品では物語の要素を上手く取り入れている。プレイヤーはゲームを始めた時点では沈没する船から脱出するという目的しか知らされていないが、助けた乗客との会話や、一定条件でアンロックされるアーカイブを読むことで、この沈没が単なる事故ではないことを徐々に知ることとなる。アーカイブをアンロックすることでスロットやPerkが増えるので、攻略を有利にするためにはアーカイブをアンロックする必要があり、必然的に攻略と並行して物語を紐解いていくことになる。このようなゲームの進行に合わせた物語の導入はとても自然で上手くできていると思った次第である。

 とはいえ、その物語要素を楽しめるかというと、素直に首を縦に振れないのが正直なところ。この作品の敵は主人公の能力よりも高めに設定されており、Perkや能力強化、武器などの助力を得て強化しないと対等には戦えない。しかし、その強化における運の要素があまりにも強すぎてプレイヤーの介入する余地が少なく、プレイ内容は全く安定しない。真相の解明についても、救助した乗客と3回会話すると重要な証言が得られて、その重要な証言の組み合わせにより解明する真相が異なってくるが、会話できるかどうかも運である。なので、運次第では理不尽な終わり方もするが、少なくとも全てのアーカイブをアンロックするまででもそれを散々味わう羽目になったし、実績を全て達成しようとするとその頻度は格段に増した。幸運を特徴としたシステムなので難易度調整にも実際の運の要素を積極的に導入したのだろうけど、結果的にその運を過度に求めるような調整になっているのには釈然としないものを感じられた。
 個人的には、運の要素の強さ以上に乱数の偏りがこの作品を台無しにしているように思えた。ただでさえ運に頼らなければならない難易度調整なのに、強敵が連続して出現したり、武器が欲しいのに薬が続いたり、変えても変えても同じPerkしか出てこないような状況に遭遇すると、それだけで失望を通り越して怒りを覚えてしまう。乱数生成の雑さがとにかく酷いの一言に尽きた。

 戦闘の運びやアイテムのやりくり、幸運の配分などプレイヤーの努力次第で事態を好転できる余地は残されてはいるものの、大部分は現実の運が支配する作品である。回数をこなせばいつかは良い状況にも巡り合うことはできるだろうが、それはソシャゲのガチャとどこが違うのかと、疑問を抱かざるを得なかった。
 ノンフィールドRPGに独自の手法で物語要素を導入した点については高く評価したいが、現実の運に左右されすぎる難易度調整がそれを素直に楽しませてくれないところが非常に惜しい作品であった。

 以下、絶対強者の実績を取るための覚書。なお、これらが全て上手くいくまでに14時間ほど費やした。
 キャラはカロリーヌ。幸運が高いので、様々な事態に有利に対処できる。
 初期PerkはAttribute Bonus 3とDevoted。Attributeが無いと1層目からまともに戦えない。また、戦闘が不利なので乗客を助けると経験値が2つ入るのは非常に大きい。初期Perk2つで出会った乗員を全て助けて真相を解明すると確実に実績が取れる。
 レベルアップ時のカードはまずは防御×3。戦闘では防御力の高さが生死を左右する。Perkも序盤は攻撃や防御などの能力強化を優先的に選択する。能力に余裕が出てきたら選択するPerkはとにかく幸運の消費量が減るものと、所持アイテム数増加。カードは使い切っても問題無し。
 各階に登場する乗員は基本的に2人。ただし、2層目や3層目では3人のこともあり、4層目以降では真相解明に必要なイベントも発生するので、それを見越して幸運を配分する。
 武器は攻撃力に応じて威力が上がる近接武器を主体に。銃器が使えるのは精々2層目まで。ただし、弱体化はその後も有効。ボス戦に備えて火炎びんや手榴弾など高威力の武器を1つは持っておきたい。一見役に立たなさそうなバールは、実は貫通攻撃なので安定したダメージを与えられる。高レベルのバールは十分戦力になる。
 1層目はレベルを3つ上げられるので、ここで防御のカードを全て取る。アイテムやPerkで攻撃や防御上昇が出ないとその後が辛い。ボスも火炎瓶が欲しいところ。Perkの変更は極力行わず(やっても1回程度に抑える)、とにかく幸運だろうが基礎能力上昇を優先とする。
 2層目は乗客が1人多いことがあるのでレベルアップの機会でもあるが、敵も強いので武器の引きの強さが必要。また、乗客が多いということはそれだけ消費する幸運も多いということで、レベルアップ時に幸運回復を選択することになるかも。Perkは引き続き能力強化を優先だが、体力増加と幸運を減らすPerkだったら後者を優先。
 3層目はマチェットを引けば勝ち。警棒の気絶も出れば強力だが、所詮は運。マチェットを引けなければ相当辛く、ここで終わっても仕方ない。この層で体力50以上、攻撃と防御を16以上にしたいところ。そうすれば、他のPerkを積極的に選ぶ余裕ができる。
 4層目は鳥が厄介なので出会わないことを祈るが、大抵こいつが登場する。この階では防火斧が出たら勝ち。そして、防火斧のために攻撃はいくら上げても足りないということはない。防御は20、体力は60あればとりあえずは事足りる。薬は1つは持っておきたい。ただし、そうなると所持アイテム数に余裕がなくなるので、ここまでに所持アイテム数増加のPerkがあると無いとでは状況が全然変わる。欲を言えば手榴弾と閃光弾もボス戦に欲しいところ。運が良ければこの階で一番狙いやすい真相Cの条件が揃う。
 5層目は防火斧で力押し。幸運に余裕があれば逃げるという選択も積極的に取る。ボス戦の為に閃光弾とバズーカがあると安心。序盤でジョージを捕まえるとそれ以降ジョージとの会話は発生しなくなるので、この時点でジョージから重要な証言が得られてないと真相Cには到達できない。


氷室 万寿 |MAIL
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