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2018年04月30日(月) 「Yissa Deep Realms」のこと

 8時頃起床。午前中に「Yissa Deep Realms」の感想を書き、午後は「寿司Party」。と書くと寿司を食べていたように捉えられるが、こちらもれっきとしたゲーム。全難易度クリアしたので、完走は明日にでも書く。

 では、「Yissa Deep Realms」(PixelGreeds)の感想を。
 突如として異界に出現した主人公の少女。記憶は無く、腕には一つ目の化け物が貼り付いている。不可解な状況の中、Yissaと呼ばれた少女は自分が何者なのか、何故ここにいるのかといった様々な謎の答えを求めて、化け物の攻撃力と知識を頼りに異形の怪物で溢れる異界を突き進む。
 この作品は2Dジャンプアクション。操作は移動と攻撃、ジャンプ、掴み。移動は地面を左右に移動できる以外に、壁に貼り付くこともできる。攻撃は魂を集めて武器を購入することで、最大5種類の武器を使用できる。ジャンプは二段ジャンプが可能。掴みは、自機の前に腕のような影を伸ばし、空中に浮いている「手」を掴むことで手に引き寄せられて空中移動をするという操作。そこからさらにジャンプもできる。

 難易度高めのジャンプアクションだが、理不尽と感じることは無く終始挑戦意欲を掻き立てられてゲームをプレイすることができた。それには2つの理由が挙げられる。
 1つは自機のアクションの気持ちよさ。ジャンプの対空時間がかなり長めに設定されており、しかも二段ジャンプが可能ということで、自機はかなり自由度の高い行動をとることができる。縦に細い地形の片面からもう片面へと、下端をくぐり抜けて移動したり、ジャンプの滞空時間を使って攻撃をやりすごしたりと、強力なジャンプの挙動は様々な場面でのジャンプの活用を楽しませてくれた。また、掴みというこの作品独自の操作によるアクションも、ジャンプ同様数多くの活用場面があり、作品の独自性を高めている。こちらは、横に並んだ手を次々と掴んで空中を移動する他にも、掴みからのジャンプで縦に並んだ手を伝って上に登ったりと、ジャンプだけでは対応できない行動をとることができてアクションの幅をより広めており、アクションの気持ちよさも併せて広げている。
 そしてもう1つは絶妙な敵や障害物の配置。自機の挙動の自由度はかなり高いが、その自由度の高さを最大限にまで活用させる地形や障害物が次々と立ちはだかり、自機を操作する手応えと楽しさを上手に引き出している。初見ではどうやって突破するのか見えなかった状況も多々あったが、その度に自機の挙動で出来る行動が予想以上に多いことを思い知らされ、突破したときの達成感も数多く味わえた。そして、敵の配置がまた絶妙。難所を必死に突破した先で一息つこうとしたら敵の攻撃が待ち構えていたという場面が至るところにあり、次のセーブ地点に到達するまでは最後まで気が抜けないという緊張感が実に心地よかった。さらに、2周目のハードモードでは一発死の障害物が増えて、敵の配置も本当に嫌な場所に増えており、配置の絶妙さをより顕著に、そして嫌というほど思い知らされる羽目になった。プレイしていて、自機の挙動を理解し尽くしていないとできない面構成と、プレイヤーの心理を手玉に取るような敵配置には感嘆すること頻りであった。
 ゲームのシステムとして突飛なことはしていないが、ジャンプアクションとしての面白さの基本的な点をしっかり押さえており、それが理不尽さを感じさせず挑戦意欲を掻き立てる作りになったといえる。
 隠し要素として、オーブのようなアイテムがある。こちらは巧妙に隠されていたり、見えていても取るのに一工夫必要だったりと、かなり挑戦的な配置。画面外に配置されていたりすり抜けられる障害物や見えない足場など、正直やや理不尽なところもあったが、何だかんだで結構自力で取れたので卑怯というほどではないかも。ただ、最後のオーブだけは体力勝負というのは納得いかないが。

 一方で、演出面は地味の一言に尽きる。グラフィックは一昔前風のドット絵だし、特に派手な演出効果があるわけでもない。しかし、だからといってそれがこの作品の面白さを損ねているわけではなく、むしろ今の時勢にこの地味な作りだからこそ目に留まったというのもある。それに、演出過多よりは地味な方がゲームに集中できるというもの。地味さもこの作品の味であろう。
 あと、自機のドット絵が銀髪ショート+三白眼+ワンピース+ブーツという、中々に狭いところを攻めているのが作者の嗜好なのか興味深い。

 物語の方は、十分には理解できなかったけど、まあ何となく分かったような気がする。どうやら現実ではなく意識の中での出来事だったようである。ボスの魂を化け物に与えるか解放するかで、結末がその意識に囚われたままになるかか現実に帰ってくるかに変化するようだが、エンディングは文字だけなのでいきなり文章だけ出されても状況が把握できず理解が追い付かなかった。まあ、ゲーム自体が面白かったので些末な問題ではあるが。

 これだけ手応えのあるジャンプアクションをプレイしたのは本当に久しぶりな気がする。容赦の無い難易度調整に製作者の意図がはっきりと表れており、インディーゲームらしさを感じられる良い作品であった。満足度は極めて高く、ジャンプアクション好きとしてこの作品に出合えたのは本当に幸運であったといえる。


氷室 万寿 |MAIL
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