雪さんすきすき日記
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2016年07月10日(日) 「Link:The Unleashed Nexus」のこと

 10時頃起床。午前中に参院選の投票を済ませてきた。

 午後は「Link:The Unleashed Nexus」をプレイ。一昨日書いた5面の難所の解法も分かり、見違えるほどにプレイ内容が洗練されてきた。が、VGAのドライバを最新にしても相変わらずフリーズは頻発するので、ここでプレイを一旦中断。来週にでもVGAを新調してから再開することに。

 というわけで、「Link:The Unleashed Nexus」(Reminisce)の感想を。
 記憶を縛る石「Nexus」に支配された世界で目覚めた主人公が、微かな記憶を頼りに空を目指す。
 道なき道をその高い機動力で突破していく、三人称視点の3Dアクション。
 操作はキーボード+マウスのFPS操作系。WASDで移動、スペースでジャンプ、空中でShiftでスラスター、Ctrlでアージェントライザー、Rでヴァーティカルダイブ。マウスは視点移動で、右クリックがステップ、左クリックが攻撃。スラスター空中を水平に移動する手段で、今作の特徴的な操作。スラスターはスラスターゲージがある限り使用可能で、スラスターゲージは地上に降りるかステップで回復する。アージェントライザーは通常のジャンプよりも高く飛べるが、使用すると一定時間使用できなくなる。ヴァーティカルダイブはその場からの急降下で、攻撃判定と自動でのステップがある他、特定の仕掛けを作動させることができる。特定の敵や仕掛けの上でステップを入力すると、スラスターゲージを回復してジャンプをする。ただし、ステップにも攻撃判定があり、連続して使用すると足場となる敵を倒してしまうこともある。この作品でスラスターと並ぶ重要な操作である。
 この操作を駆使して足場を伝ったり仕掛けを動かて、上へ、もしくは奥へと進み、その面の最深部にあるNexusに攻撃を当てるとクリア。足場の無い場所に落下したり、敵の攻撃を2回受けるとミスとなる。ミスは何度でも可能で、面の途中にあるサークルに触れるとその場所が復活地点となる。

 空中でのスラスター移動がとても気持ちよく、空中での移動の自由度の高さによる解放感を満喫できる作品。ただし、ステップの操作にやや癖があり、それに慣れるまでは全然思い通りに操作できなかった。視点が変更できないので、足元の確認が難しく、その感覚を掴むまでは非常に難儀した。しかし、その感覚を習得して、スラスターとステップを交互に使って敵の上を伝い高所に移動することができたときは、一気に目の前が開けたような快感を覚えた。操作を習得する前と後では見える世界が全然異なり、作品の方向性が理解できたときの興奮はとても大きいものがあった。

 難易度は決して簡単ではない。むしろ、2Dジャンプアクションでよく見受けられるいわゆる死にゲーに近いような調整である。しかし、それら死にゲーが繰り返し挑戦させる意欲を掻き立てられるように、この作品もまた先を見たくなるための原動力がどの場面でも常にあった。
 その原動力は、先ずは空中を自在に移動できる自由度の高い移動手段。何度もミスを繰り返していくうちに操作が洗練されていき、見違えるような動きになることへの喜びは、2Dも3Dも変わらないものがある。さらに、この作品は3Dということもあって、空中を移動する感覚がより強く感じられる。
 そして、敵の配置や仕掛けの妙。初見でこれをやらせるのかと絶望した場面は数知れず。しかし、動きを考え抜いて実践し、それが的中したときの達成感は代えがたい快感となり、その快感を徐々に高めていく面構成となっているところが上手いと感じた次第。仕掛けについてもヒント無しという場面がほとんどで、割とプレイヤーを突き放した調整である。なので、様々な試行錯誤を強いられるが、正解が分かれば納得変化を手がかりとして正解に近づいていく一連の作業にはちゃんと楽しさを感じられる。
 加えて、空を目指すという世界設定も大きな原動力となっている。このNexusに支配された世界のまだ見ぬ遥か先に何が待ち構えているのか。主人公の運命はどうなるのか。世界設定に込められた謎を解き明かしたい欲求こそが最大の原動力となっているのかもしれない。

 演出面では、清涼感のある画面描写がとても印象的。澄み渡った空や海といった自然の中に存在するのは、無機的な建造物や敵の数々。有機的に動く存在は自分のみという、美しくも荒涼とした風景が美麗なグラフィックで描かれている。各面とも、始まった直後はその風景の美しさと意外さに驚かされるばかりである。
 音楽の方は私の大好きなEDM調の楽曲揃いで、高揚感を上がる曲調が繰り返されるミスによる鬱憤を帳消しにしてくれる。この曲調でなければもっと鬱憤が溜まってもしかしたら投げ出していたかもしれないと思うと、その効果は絶大である。

 不満点といえば、まずはキーコンフィグができないこと。幸いにも標準のキー設定で今のところは問題なくプレイできているが、ヴァーティカルダイブは今でもRではなくEに設定したいし、アージェントライザーもスラスターとの押し間違えが結構あり、小指の使い分けも結構負担が大きいことから、できれば別のキーに設定したい。操作の種類が多いので、それを快適に使いこなすためにもやはりキーコンフィグは欲しかった。
 そして、視点変更。ステップの重要性に対して融通の利かない視点というのが率直な意見。常にもう一段引いた視点にしたくなる。もちろん、感覚を掴むことで克服はしたのだが、決して満足できる視点ではない。また、このせいで無駄にプレイする敷居を上げてしまっている感も否めなかった。
 あと、ステップという操作を独立させる必要が本当にあったのかも疑問である。単純に、敵や仕掛けの上でのジャンプという操作でも良かったのではなかろうか。操作の種類を増やして難易度を上げるというのは愚策であると思わざるを得ない。

 2面の難易度が非常に高く、操作を把握しないうちにこの面を攻略するのは非常に敷居が高い。ただ、そこを乗り越えた先に見えた世界を知ってしまった今では、それすらも些末な問題にすら思える。空中を移動する自由度と解放感の高いシステム、そのシステムと世界観との親和性の高さが生み出す雰囲気、そして挑戦意欲を掻き立てる難易度が織りなす魅力に、今ではすっかり夢中である。この作品のためにVGAを新調しようと思わせたことも、その魅力を如実に物語っている。
 中断せざるを得ないのは断腸の思いであるが、なるべく早く再開したいところである。この世界の結末を見届けるために。


氷室 万寿 |MAIL
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