以前行った国立科学博物館で行なっている、恐竜博を見に行ってきた。 (今はもう東京は終わってしまったが) 金曜日は8時過ぎまでやっていて、なおかつ空いているらしいので、 どうせだったら終わっちゃう前に見に行こう、と思ったのである。
今回の展示の目玉は、ティラノサウルス「スー」の実物化石。 「スー」は1990年にアメリカで奇跡的に全身で発見された、全長10メー トル?の巨大化石なのである。
小さい頃、国立科学博物館で恐竜の化石といえば、今回の恐竜博でも 展示されていた「アロサウルス」だった。 この「ゴジラ立ち」した標本がたしか1階のエントランスに展示されて いて、ガキだった当時はその巨大さに息をのんだものだった。
でも今回のスーは、それよりももっと巨大な個体で。 最新の学説に基づき、「ジュラシックパーク立ち」したその標本は、 今にも動き出しそうなくらいの迫力があったのである。
いやあ、よかったよ、実際にその巨大さが感じられて。 これがほぼこのままの状態で、2億年たって見つかったのがすごいよなあ と思うのだ。
そして、それはそんなに派手さはない、他の化石標本についてもいえる ことであり。 今回の恐竜博、もう一つのテーマは「恐竜から鳥類への進化」だった。
私がやはり小さい頃、恐竜(爬虫類)から鳥類への進化は、始祖鳥の 化石はあったものの、その前後の化石が見つからなかったため、 確かな証拠はないと言われていたのが、ここ数年、ミッシングリンク とも言うべき化石が多数発見され、それらの多くの恐竜には羽毛が 生えていた、という証拠が見つかったのである。
今回の恐竜博では、そういう日本初公開の最新の化石も多数展示されて いたのが面白かった。 中にはエルビスプレスリーみたく、前腕と下腿部だけにひらひらとした 長い毛を生やした恐竜、なんてのもいたし。
でも、こういう化石を、単なる地層から見つけ出す人たちっていうのも すごいよね。 だって、それらの多くはホントに小さなしみみたいなものなんだし、 それらの痕跡から、数億年前、生きていた状態を考察することに成功 したおかげで、こうして恐竜から鳥類への進化が、私みたいな素人にも わかりやすく展示できるんだから。
昨年、NHKスペシャルの「地球大進化」というシリーズを見て以来、 地球環境の変化と、それに適応していった生物と、惜しくも滅びて しまった生物の進化、といったものに興味を持つようになった。
詳しくは本なり、DVDで見てほしいけれど、地球の全地表、海も陸地も 全部氷に覆われた「全球凍結」の時代にも私たちの祖先である生物は 生き残り、たくましく進化を続けてきたおかげで、現在の地球に私たち や他の生物がいる。
でも、惜しくも滅びてしまった種たちにしたって、今回展示されていた 鳥になり損ねてしまった恐竜たちや、地上の王者を謳歌していた、 ティラノサウルスにしたって、絶滅したとはいえ、その当時はその生を 謳歌していたんだろうなあ、と思うのである。
それは絶滅したり、自然に淘汰されてしまったから、ダメだったり 負けだったりするのではなく、彼らも含めた生物の種の多様性があった からこそ、今もこの地上では様々な生物がいる世界を私たちは楽しめ るのかもしれない。 なんかまとまりに欠けるけど、そんなことを思った大人の恐竜博でした。
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