□■ あたしのお教室 ■□
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はい、こんにちは。
あまりに大きくなりすぎた黒大豆の枝豆。 どうしたもんかとじじと思案していたら、大阪の従兄弟が刈り取りを手伝ってくれると言ってきてくれた。
いとこのあんちゃんは、あたしが魚好きなのを知っていて、大阪の市場を朝からうろうろ探し回ってくれたらしい。 結局、朝あまりに早かったので、市場が開いてなかったと残念そうに、メロンとちくわを持って駆けつけてきてくれた。
血縁というものはありがたいもんだ。 困っていたら、遠くからでも駆けつけてきてくれる。 実家の母に電話したら、「あんちゃん、なにも枝豆が欲しいわけではないんよ。 百姓しらないあんたが可哀想でそれで手伝いにいくんやで。」って言っていた。うれしくて、うるうる。
あんちゃんが来たので、さっそく蜂の話をした。
「小春、お前はおおげさ。あんちゃんなんか何回でも刺された。 お医者は大袈裟にいゆうてもうけようとしてんねんから乗せられたあかんよ。」
「だけど、すごく痛かったんやもん。」
「だから都会育ちはいやっちゃ。笑。そんなんしょんべんつけていたらよーなるわな。」
「げげげ、自分のおしっこをつけるの? そんな余裕なかったわ。」笑。
あんちゃんはさっさと枝豆を刈って、それから作業場で枝とはっぱを落とす作業をした。じじもいっしょに。 3時間かけて1キロの束が40ほどできた。 それでも畑の4分の1ほど。
お昼になって、なにも食べるものがなかった(買い物に行く暇がなかった)ので、枝豆を茹でて食べようということになった。
あんちゃんがもってきてくれたアンデスの岩塩でそれをゆでたところ、と〜〜〜〜っても美味しくて、二人でぼりぼり食べた。
「小春、こらええわ。枝豆とアンデスの塩で商売できそやな。」
あんちゃんは自然食関係の会社の相談役をしてる。 来るたびに新商品の試供品を持ってきてくれる。
あたしは、もと札付きの不良のあんちゃんが、自然のこととか環境のことを一生懸命力説するのが、とっても面白かった。
夕方まで、ふたりで、昔話やそれぞれの親の話なんかして、それからあんちゃんは帰って行った。
「小春、次はあずきの時にくるさかいに。 また寄れることがあったら寄るし。」
山奥にいるあたしのことがよっぽど心配になっているらしい。笑。
あんちゃんは来るたびに髪が薄くなっていて、やっぱり、なくなった叔父さんにとっても似てきている。 もう若くないんだから、仕事もほどほどにしいや、と言いたいところなんだけど、言っても聞くような人じゃないから、言わない。
さてさて、今日は、じじが黒豆を刈ってきているらしいので、今からまた枝おとしをしてきます!
丹波の黒大豆の枝豆。
たぶん日本の珍味の5本の指に入るぞ!
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