あお日記

2002年05月16日(木) 志願先変更

 時は冬、受験シーズン真っ盛り。

 滑り止めで受験した私立高校は1つが合格、2つ目が補欠合格といった具合で必ずしも自分の思惑通りではありませんでした。2つ目のランクが上だった方には姉が通っているということもあり、郵送されてきた合格通知の「補欠」のスタンプにはかなり失望。それでもクラスの担任に聞いたところ、「補欠でもこの学校なら入学できる」という言葉を頂戴して、本命である県立高校の志願先変更に動き出しました。もちろんランクを少し上げた高校。学区内ではけっこう評判の進学校で中学入学から事あるごとにこの県立高校の名を耳にしており、また、自分の偏差値もその辺だったので漠然と「自分はこの高校へ」と決めていたフシがもともとありました。

小学校からの知り合いである活発でグラマラスな彼女と同じ志願校

いえいえ、そんな理由じゃありません!! はは。
でも嫌いな女性ではありませんでした。むしろ好きな方でしたし。

 受験日は2月末。もう差し迫った2月上旬のきれいに晴れたその日に私は初めて自分の志望校に行きました。おっと、その前に前の志願校に行って願書返してもらわねば...ということで行ったその高校は、今で言えばほとんど化石となっている(??)純朴なる赤リボンと白のブラウスそして紺のスカートという憧れのセーラー服! いや、私はもともとそういった視覚的な要素で興奮した覚えがなかったのでこの時は残念ながら、まことに残念ながらなんとも思いませんでしたね。

 そして大本命の県立高校へ。今では車ですぐ行ける様な距離という認識ですが、当時の自分には、公の交通機関を使って行くところは全て遠隔地のような感覚でした。まあそれだけ世間知らずで閉じこもりがちな井の中の蛙だったわけです。

 門に入ると何故かドキドキしてしまいました。自分がこの春に高校に入ることなんて想像すら出来なかったし、「高校進学」というプロセスすら幻のように感じていました。それが具体的にこうして目的の場所に来ると現実が目の前に晒された訳で、女生徒の制服がどんな感じか?なんて観察する余裕などあるはずがない。

 事務室で書類の手続きをしている最中にチャイムが鳴り、どうやら休み時間に入った模様。とたんに賑やかになる校内の喧騒を遠くで聞きながら待っていると学生が何人か私の後ろを通過していきます。もちろん振り向いて確認する気持ちの余裕などなし。
 手続きも終わり入り口を出ようと靴をはいた時、事務室からすぐにあった階段の中途から私に声をかける男子生徒がいた。
 「がんばれよ! ○○中」
振り仰ぐとそこには懐かしい顔がありました。2つ学年が離れた中学の部活の先輩でした。世話になったのは先輩が引退する夏までの3ヶ月くらいだったので彼は私のことを覚えていないようでしたが、部長であった彼の存在を私が忘れるわけがありません。
 思いがけない激励に私は「はい!」と言って会釈するのが精一杯でしたが、校舎を出て門に差し掛かったとき、そこには後ろを振り返る自分がいました。

 漠然とした希望に満ちて...







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