Spilt Pieces
2003年06月22日(日)  水
水が、絶えることなく流れゆく。
全ての不純物をも含有したまま、まるで透き通った川の流れのように。
流れに乗ってどこまで行けるか。
飲み込まれた過去。
今はもうその透明と一体化して、何も見えない。


梅雨の訪れ。
ミミズが道路で干からびていた。
何十匹もが、同じ形で散らばって。
毎年見かける光景。
彼らは学習しないのだろうかと思いつつ。
踏まぬよう気を配りながら歩みを進める。
いつもと同じ。


夕暮れ時、信号待ちの交差点。
前にいた車の窓が開く。
赤い光を宿したまま、タバコが外へと放り投げられ。
目の前の電灯が青へと色を変える。
タイヤに踏まれたそれは、風の吹くまま飛び散った。
私の車も、それを踏む。


人の善意も悲しみも。
誰かの命も生き方も。
全てを含んで水は流れる。
歴史という名の水の跡。
いつか雨が降れば、何もなかったかのように。
澱みなく、豊潤たる流れは一切を許し。
誰かの脳に、その記憶に。
何かは残る、印象深く。
それさえも、しかしいつか消えてなくなるなどと。
できれば考えたくない事柄に囲まれて。
今日も歩く。
氷が、そのうち水になると知りながら。


自分がどこかに残ること。
期待を捨てねば生きられぬ。
ならば今あるこの瞬間を。
私なりの華の咲かせ方を。
歩いていくしかないのだと。


水の中にいること、氷の上を歩くこと。
全て忘れて今はただ。
歩く、歩く、歩く。
生きているこの一瞬が、私にはいつも永遠。
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