Spilt Pieces
2003年05月25日(日)  実習日記:3
朝起きることができたので、8時からの部活に参加してきた。
久々の運動で、筋肉痛がひどい。
超夜型の私は、朝に弱い。
食事の時間を削ってでもぎりぎりまで寝ていようとする。
そんな私が、朝の7時頃起床。
我ながら気合いが入っているときは違うものだとびっくり。
いそいそと準備をして、ジャージ片手に家を出る。


高校の正門前で、1年生の集団に会った。
朝からものすごいテンションで、生気を吸い取られそうなくらい。
負けじとテンションを上げることもできるけれど、自分の立場を思い出して自粛。
「朝から元気だね〜」
と言って、笑っていた。
それにしても、朝の8時前に部室でガッチャ○ンの合唱はさすがにすごすぎると思う。
自分が高校生の頃は…そこまでしていないはず。


部活は、やはり体がついていかない。
当時の自分の体のイメージが頭についている分だけ、その通りに動かない自分の体がもどかしくて仕方がない。
とらえるイメージ、打つイメージ、どれも残っているのに、体を動かしてみると全然違う。
情けないなと思いつつ、筋肉痛を気にしないくらいに走り回った。
ブランクを取り戻すには、動くしかない。


私もお世話になった顧問の先生が、「次のコース、4本連続で決まった奴から抜けていけ。最後まで残ったらコート一周な」と言った。
そういう練習を2回やったけれど、2回とも残ってしまった。
教育実習生は走らせないと言っていたけれど、それはそれで何だかずるくて嫌だった。
というわけで、他の最後まで残った生徒と一緒に、競うようにしてコート一周。
顔から火が出るほど恥ずかしかった。
でも、できないのに走らない方が自分の中では納得がいかなくて恥ずかしかった。
ここらへん、やはり「教師」の立場の自覚ができていないということになるのだろうか。
3週間のうちに、絶対「教育実習生」の立場関係なしに走らなくて済むようになってやる、と、思った。


部活を10時で抜けて、クラスの企画の方へ。
…行ったのはいいが、生徒が1人しか来ていない。
昨日「明日10時」と言っていたのに、結局皆委員会やら部活やらで忙しいらしい。
思い起こせば私もそうだったなと思う。
というわけで、来ていた生徒と2人で針と糸を持って作業開始。
1時間ほどすると、別の生徒も来た。


生徒が抜けたり入ったりの1日。
昨日会っていない生徒の名前を覚えたり、他愛もない話をしたり。
高校生は、私がいても普段と何ら変わることなく噂話をしたり下ネタで盛り上がったりしている。
時折先生の悪口なども聞こえて、少し慌てる。
自然体で、元気で、きっといつもと違うところといえば多少私に気を遣って話を振ってくれたあたりだろう。
その方が私もありがたいし、楽しい。
それに、少なくとも先生の悪口を告げ口するような人間には見られていないらしい。
帰りの頃には生徒とも随分話せるようになって、こちらから頑張って声をかけなくても生徒が声をかけてくれる。
「先生またね〜」と、大きな声で手を振ってくれる生徒もいる。
クラスの方にいるとき、何度か部活の子たちにも会ったけれど、まだそんなにたくさん話したわけでもないのに、こちらが気付かなくても向こうから元気に声をかけてくれる。
すごく嬉しい。


「来週、ひょっとしたらここのクラスで最初の授業をやるかもしれないんだ」
ふと、クラスの生徒と話しているときに言った。
「HRのクラスだけに緊張するね」
すると、生徒はこんなことを返してくれた。
「大丈夫だよ、先生。うちらのクラスなんだからリラックスしてできるって」
何だか、怖がっていた自分が少し間抜けにさえ思えた。
部活の生徒は、「先生が授業に来たら、ひやかしてあげるよ〜」と言って笑っていた。


ほんの3週間しか一緒の時間を過ごさないことを、皆知っている。
その上、まだ会って2日か3日しか経っていない。
それなのに、暖かく迎え入れてくれることが本当に嬉しい。
すぐに赤くなる私は「先生ってば赤面症だね」と言ってひやかされた。
でもその直後、「そのうち慣れるよ、大丈夫大丈夫。頑張って。それに、赤くなるのかわいいよ」などと、逆に励まされた。
コンプレックスの1つで、どうにも気になって仕方のなかったこと。
それが、こんな風に逆に生徒から励ましを受けるだなんて思ってもみなかった。
「教師」としてはこんなんじゃ駄目なのだろうけれど、私個人としては嬉しくてどうしようもないくらいだった。


私はどうやら、生徒に恵まれたらしい。
生徒に後で「先生の授業分からなかったよ」などと言われませんよう。
帰宅後、体は疲れてへばっているけれど、無理やり経済の本を開いて勉強をする。
実習前は不安だらけだった。
でも、今は次の日が楽しみだ。
きっと、あっという間の3週間になるのだろうな。
一瞬の「あっ」の間、貪欲に色んな経験をしていきたい。
…ちなみに帰宅後、先生に借りた写真を見て、今日覚えた名前を何度も確認していたのは生徒に内緒。
覚えるの苦手だけど、せっかくだから1度で覚えたフリしていようかな。
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