2010年03月06日(土)  増えろ皮下脂肪。引き裂け皮下組織。そしてカンガルー。
 
さあ妊娠線予防対策の時期がやって参りました。妊娠線というのはお腹がおっきくなって皮膚がひっぱられてそんで産んだ後に線が残るという、ひどく不親切な説明になってしまったが、まあ多分そんな感じでできる一生残ってしまう線であって、予防できるものなら全力で予防したい。だからアナタ手伝ってと、とどのつまり全力で予防しているのは僕であって、御ハナを妊娠した時も毎晩風呂上がりにマッサージを欠かさなかったので、今も妻のお腹は20代のような艶と張りを意地している。
 
マッサージは妊娠3〜4ヶ月頃から始めるらしいが、妻はまだ妊娠1ヶ月過ぎたばかりで赤ん坊っつったってエコーで胎のう(赤ん坊が入っている袋)が確認できる程度でお腹だってまだ出ていない。よって先週から始めているマッサージは、皮膚に柔軟さを与えることが重要な妊娠線予防対策ではなく、僕にマッサージの習慣をつけさせるための対策なのである。妻はそういうところがかなり賢い。
 
さあお腹のマッサージの時間ですよーと、風呂上りに寝室で妊娠線予防クリーム片手に妻を待っていると、御ハナが駆け寄ってきて恥ずかしそうに呟いた。
 
「ハナね……おなかにね……カンガルーの赤ちゃんいるの……」
 
妊娠を告げることがちょっぴり恥ずかしいことっていうのは本能にインプットされているのであろうか。カンガルーの赤ん坊を身篭っているということをこれほどまで恥ずかしそうに呟くとは。要するに御ハナは妻同様、お腹に特別なクリームを塗ってマッサージしてもらいたいのであって、妻の化粧に憧れて口紅塗って喜ぶパターンと一緒なのである。
 
しかし「ハナもぬってー」とだけ言っても、「ママはお腹に赤ちゃんいるから塗ってるんだよ」と諭されてしまうため、御ハナはだったら私もお腹に赤ちゃんがいたら塗ってもらえるんだという、生命の神秘のカラクリも知らぬまま、風呂上りにパパからお腹をマッサージしてもらいたいがために、カンガルーの赤ちゃんを身篭ってしまった。
 
こうして毎晩二人のお腹をマッサージする日が始まったのであった。
 

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