2006年11月19日(日)  パパラシク。
 
産後1ヶ月から赤子と共に散歩することが可能となり、僕が仕事の日は妻と御ハナ二人で買い物がてら散歩に出掛けているが、休日の日は、夕方陽射しが弱くなってから三人で散歩に行く。
 
御ハナをスリングという布でできた抱っこひものようなハンモックのようなものの中に入れて抱っこする。布ですっぽりと覆われるので顔があまり見えない。よって通行人は隠されたものを見てみたいという欲求が刺激されるらしく、妻がスーパーで買い物をしていて僕が入口付近で待っている時など、「まぁ可愛い」「赤ちゃん、いるの?」と、次々に見ず知らずの人が話し掛けてくる。
 
話し掛けてくる人は決まって高齢の人で、決まって御ハナの顔をのぞいた後、自分の孫の話をする。そして決まってそういう人たちの顔は幸福に満ちている。この隣の人は何する人ぞの東京で、見ず知らずの人たちが気軽に話し掛けてくるという御ハナの幸せの魔法。これはすごいことだ。ほら、ちょっと代わってみようよ。知らん人がどんどん話し掛けてくるから。
 
と、妻に御ハナをバトンタッチしてしばらく商店街をふらふらしていたが誰も話し掛けてこない。おっかしいなぁと、再び僕が御ハナを抱くと早速お婆さんが寄ってくる。
 
「赤ちゃん抱いてる女の人なんてそこらじゅうにいるんだから大して珍しくないのよ。あなたみたいにどう見ても独身のような男の人が顔ほころばせて赤ちゃん抱っこしているっていうギャップがたまらないのよ」
 
と、妻は言う。なるほどそうかもしれん。僕が赤子を抱くことによって生じるギャップ。逆にいうと、これは僕がまだ父親になりきっていないということを周囲が証明してるってことなのかもしれん。どうしよう。父親になるのは誰にでもできるけど、父親らしくなるってのは意外と難しいことなのかもしれんね。
 

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