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| 2006年10月27日(金) 妻の魔法。 |
| もう僕が食事を作ることはなくなって、毎晩妻が夕食を作ってくれるのだが、愛とか恋とかのろけとかそういうものを抜きにしても妻の作る料理は上手い。料理は満点だよ一級品。家計は厳しく産休貧。御ハナはウンコだ三級品。と、一休さんの替え歌をうたいながら御ハナのオムツを替えていると、「お待たせしましたぁ」と、妻が食卓に色採々の食事を並べる。 手をすり合わせて「あぁ〜。あぁ〜。な、む、さ、ん、だぁ〜」と言いながらいただきますをする僕に憐憫を込めた視線を投げ掛けながら、妻は御ハナを抱っこして僕が美味ぇ美味ぇ言いながら飯を貪り食う姿を聖母マリアみたいな笑みを浮かべて眺めているのである。 と、ここで箸が止まり、あれ? という感じで妻を見て、なに? という感じで妻が首を傾げ、なんでもないと再び箸を動かしながら気が付いたのだが、妻は僕に「今日何食べたい?」という質問を全くしない。何気にこれはすごいことだ。 というのも僕が食事を作っていた時代は、毎日のように朝から「今日何食べたい?」という質問をして、朝食後のお腹いっぱいの妻に煙たがられていたのだが、「何でもいいよ」と答えられてものすごく残念な気持ちになっていた。何かしら一品でもおかずを指定してくれれば、今日はマーボー豆腐作ればいいんだ。だって妻が食べたいって言ったから。と、その日一日気が軽くなっていたものだが、妻はそういう質問を一切せずに、毎晩美味い飯を拵えてくれるのである。神とか事業主とかそういうでかいものに感謝するより、この感謝の思い全てを妻に捧げたいと思う。 そんなある日、妻の家計簿をチラと見ると、メモ欄にぎっしりと料理のレシピが書いてあった。僕は妻は生来料理が得意なものだと思っていて、いつも魔法でも使うかのようにあっという間に夕食を作っているのだと思っていたのだが、この手書きのレシピを見て、隠された努力を見て、「だって私、こんな毎日料理をすることってなかったんだもん」と、恥ずかしそうに視線を逸らす妻を見て、御ハナと二人して涙をボロボロ流しながらオムツを取り替える毎日はすごく幸せだ。 |
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