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| 2006年08月22日(火) 紛失、その後。 |
| 財布を落としたショックで日記など書く気になれず、持ち金が一文もないものだから、妻に金をせびり、ビール、ウイスキーを飲む。パチンコに行ってリーチが外れると台を叩く。洗濯物をいい加減に畳む。だし入りの味噌を使い味噌汁を作るなどの退廃的な生活を送っていたわけではなく、普通に仕事してました。財布をなくしたというズッコケエピソードにドラマティックな脚色を施し、職場での話のネタの一つに用い、ワンパクかつたくましく生きておりました。 いくつかの銀行に赴き、キャッシュカードの再発行の手続きを行い、本人と確認できる物、保険証か免許証などございませんかと訊ねられ、保険証も免許証も財布と一緒に紛失してしまった僕は、僕が僕であるということを証明するものを何一つ持ってないことに愕然。窓口で口をぽかんと開けたまま、一体僕は何者なんだろうと、思春期のようなアイデンティティーの崩壊の危機にさらされました。 妻からの誕生日プレゼントの財布を紛失した僕は、暫定的に昔使っていたボロボロの財布を使おうと思ったのだけれど、金もカードもないものだから、財布を持っても何の意味もない。ただただ虚しくなるだけでありました。 どこからか宅急便や郵便が届くたびに、「おっ、財布が届いたかな」と、ブラックなジョークを言う僕に妻は悲しい笑みを浮かべ、そっと僕の肩に手を置いて、静かに首を振る。「もう、戻ってこないのよ」憐れみを込めた妻の表情に僕は別段なんとも思わず、「ちょっとトイレで財布探してくる」と、虚勢を張り続け、トイレで泣き続けるという生活を送っておりました。 薄い財布には妻から貰った千円札が3枚と小銭が少し、入っております。暦はまだ8月22日。これほどお金を大切にしようと思ったことは、ここ数年間、なかったように思います。 |
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