2006年07月03日(月)  愛の証。
 
妻にゲームソフトを買ってもらった。プレゼントではなく、何かを買ってもらうという経験を長い間してこなかった僕は、「何が欲しいの?」と、妻がゲームショップで訊ね、「こ、これが欲しいです」と、恥ずかしそうに小声で答え、欲望の羞恥プレイのような様相を呈してしまったが、ゲームソフトを買ってもらった。
 
ゲームショップにゲームには無関心の妻が、僕が欲しくてたまらなかったゲームソフトを持ってレジに並んでいる。まぁこれは僕が妻の職場での仕事、細かくいうと書類作成などを手伝ったから、そのお返しにゲームソフトを買ってもらうということになったのだけれども、それにしても何というか、腹に子を孕んだ女性をゲームショップに並ばせて申し訳なくて申し訳なくて、「はいどうぞ」と袋に入ったゲームソフトを渡した妻を抱き締めてキスをして高い高いしてグルングルンしたいのだけど、公衆の面前でこういうバカップル行為を何よりも嫌う妻に、「ありがとうございます」と俯きながら言うことしかできなくて、それでも嬉しくて嬉しくて家に帰ってすぐにプレステを起動させた。
 
「僕はね、このゲームだけは攻略本や攻略サイトに頼らなくて、自力でクリアしてみせるんだ。これが君に対する僕の最大の愛の表現なんだよ」
「言っている意味が全然わからないわ」
 
1週間後、そう言って妻はろくに僕の顔を見ずにファッション雑誌をめくっているが、その傍らで僕はコントローラー片手に強敵と戦っている。攻略の術がわからず、手探りで強敵の弱点を探している。でもこれが愛の証し。苦悩なくして真実の愛など掴めるものか。うぉりゃー、脳天めがけてジャンプ攻撃、んでもって背後にまわってどつき倒す。それでも強敵は倒れない。クーラーが効き過ぎて寒い。妻は雑誌を読んでいる。僕は愛のために戦い続ける。
 

-->
翌日 / 目次 / 先日