2006年06月07日(水)  珈琲物語。
 
雨の新宿歌舞伎町、妻とちょっとお茶でもしようかと入った喫茶店、コーヒーが1杯950円もする。そう、これが噂のぼったくりカフェであるわけではなく、ただ単に通好みのコーヒーを出しますよっていうコンセプトで法外な値段でコーヒーを飲ませているだけで、例えばドトールコーヒー、あすこで出すコーヒーはコーヒーである。しかしこの喫茶店で出すコーヒーは珈琲である。そんな感じ。
 
この店に入って気付いたのだけど、テーブルについてメニューを広げた客は一様に目を丸くして驚いている。中には「たかーい!」と言っている口調がこちらからも丸わかりな客までいる。でも周囲を見ると、客は文句一つ言わずに黙々と、中には楽しそうに談笑しながら珈琲を嗜んでいる。店内にはジャズが流れている。ただのオヤジもここではちょい不良に見える。
 
なんなのこのコーヒーの値段で驚いてんのもしかして私達だけ? という疑問がよぎるが、そんなものとっくのさっきに皆感じたことで、いつまでも驚きながらコーヒーを飲んでいては美味いコーヒーも不味くなる。皆、950円という意味のわからない値段を自分の中で消化して、まいっかという心境で飲んでいるのである。そして驚いていたその客も、やがてこんな値段で驚くのはきっと無粋なことなのだわ。ここは私の庭、大遊戯場歌舞伎町と、周囲と同化してしまうのである。
 
というメカニズムで店はどんどん儲かり、貧乏人はプライドにしがみつきながらどんどん貧しくなっていく。まったくもって因果なものである。
 

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