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| 2002年12月25日(水) 精神的鮪。 |
| 僕は彼女のどこが好きかというと、電話の最中に眠ってしまうことが好きなのです。 受話器の向こうはとても眠そうな雰囲気なので、雰囲気というか確実に呂律が回っていない様子なので、 「じゃあ電話切るね」と言うと 「いやぁん、ダメ」と言って電話を切ることを拒みます。 仕方がないので僕は今日の出来事とか昨日のニュースとか明日の天気とか オチはおろか物語さえ、何かの隠喩さえ、メッセージでさえこもっていない会話を1人で話し始めるのです。 彼女はしばらくの間、相槌をうってくれてるけど、そのうち何も言わなくなって 耳を澄ますと受話器からは静かな呼吸音が聞こえるのです。 「もしもし? ねぇ、起きてる?」 「……んあぁぁ。起きてるよ」 確実に寝ているのです。 彼女の魅力的なところは、何といっても可愛らしい傲慢さにあると思うんです。 僕が突然会いたくなったように(実はさほど会いたいってわけじゃないけど) 「ねぇ、今からうちに来てよ」と言うと、 「アホ、お前が来い」とバッサリ斬り捨てるのです。 彼女はケーキと漫画が大好きで、彼女の彼氏と喧嘩ばかりしています。 いつも深夜過ぎにかかってくる電話で、今日彼氏とした喧嘩の内容を詳細に話します。 そして一通り話し終えると眠たくなるのです。 僕はその、何と言うか、罪のない傲慢さが好きなのです。 彼女に彼氏がいるとか、そういう些細なことは関係なくて、 ただ純粋に、純朴に、純潔に彼女を愛しているのです。 僕はリビングに座って携帯を持って彼女の静かな寝息を聞きながら 話すこともなくなり、雑誌などをめくっていたら彼女が突然小さな声で言いました。 「んん……。エッチしたい」 今は午前1時30分だし、彼女は明日も仕事だし、僕も明日は仕事なのでエッチはしたくないけれど、 30分後にはエッチしたい気持ちになるかもしれないので、とりあえず言ってみるのです。 「じゃあ今からうちに来てよ」 「アホ、お前が来い」 そんな精神的マグロともいえる彼女を愛しています。 |
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