2002年12月24日(火)  雨は夜更け過ぎに畜生。
今夜はクリスマスですね。
今夜は看護婦さんと一緒に乾杯もせずに黙々と晩ご飯食べて、ワインではなく、コーヒーを飲んで
さっきから看護婦さんは「あぁ、畜生」とさっきから汚い言葉ばかり言っているけど
食事が美味しくないわけでも、僕がプレゼントを買い忘れたわけでも、よりによってイブの日に看護婦さんが生理になったわけでもなく、
 
ただ単に夜勤なんです。
 
「あなたイブの日は特に用事ないでしょ」
という婦長さんの冷酷な先入観によって発せられた一言で僕はイブの日に夜勤をしているのです。
相手の看護婦さんは彼氏がいるので用事がないわけでもないというか確実に用事があるというのに
ただ新米だからというだけでイブの日に夜勤を入れられたのです。
 
新米ナースは世間のイベントから最も離れた位置に立っているのです。
僕もイブという世間のイベントから最も離れた位置に立っているけど、この職場で働き出してもう7年目です。
看護師で7年といえばもう中堅だし、主任にもなってるし、彼女もいるはずなんです。
 
僕は中堅で主任だけど、彼女がいないのです。いらないのです。
 
「それは強がりですよ。あぁ、畜生」
 
新米ナースはとても若くて可愛いのだけど、少し口が悪いのです。
さっきから畜生、畜生と言っています。
 
「ねぇ、明日もクリスマスだし……」
「イブは今日なの!」
 
そりゃそうだけど、イブの日を特別視するのはどうかと思います。
今夜はクリスマスイブだわロマンティックだわ雨は夜更け過ぎに雪へと変わるんだわ!
なんて期待するのがそもそもいけないことだと思います。
イベントに頼る愛の情熱なんて、夜更け過ぎに雪へと変わるんです。
 
「さて、それじゃあ巡視に行こっか」
「イブなのに?クリスマスなのに?白衣着て?患者さ〜ん眠れないんですか〜?って?彼氏は家で寂しくテレビ見てるっていうのに?どうして私は懐中電灯もって病室を周んなくちゃいけないんですか?」
 
「お前ちょっといい加減にしろ」
 
僕だって時には怒るんです。

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