2002年12月21日(土)  美徳。
昔から純粋な優しさに接してしまうと、どうも胡散臭く感じられて、
そこに偽善だ情だ建前だの考えてしまうけれど、どうもその女性は違うらしい。
 
僕と似たような傷を持っていて、そして僕よりその傷が深い。
同じ刺激を受けて、同じ痛みを感じ、同じ反応を表している。
 
僕はそのような刺激に少し鈍感な面があるけれど、
彼女のそれはピアノの弦のように繊細で敏感で、あらゆる状況でも強い張力がかかっていて
ときにその張力に耐え切れず、泣いてしまうことだってある。
 
全てを背負い込むことが運命であるかのように、
陽の当たるところでは、愚痴一つ言わず、黙々と、しかし笑顔で日々を送り、
蛍光灯の消えた暗い部屋のベッドの上で、一人息苦しさに悶える。
外の世界の抑圧が胸の中を圧迫する。
 
そんなキミは、いつの間にか、自覚のない優しさを手に入れた。
それは偽善でも情でも建前でもない、純粋な優しさを身に付けた。
僕にはそれがわかる。誰よりも偽善の前に屈してきた僕にはそれがわかる。
 
キミの目途も当処もない、罪でさえ感じるその優しさがわかる。
 
ときに調律が必要であるならば、僕がしてあげよう。
弦の振動を望むとおりに止めるダンパーの役割をしよう。
 
コルチカムの花言葉は「美徳」
そう、キミにぴったりだと思う。美しい徳行。慈悲に溢れた思い。
 
今日はキミの誕生日。そしてコルチカムはキミの誕生花。
 
コルチカムの花束は準備できないから、今日のこの日記を贈ろう。
誕生日、おめでとう。

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