![]()
| 2002年12月14日(土) おイモさん。 |
| 休日。看護婦さんから頼まれた225枚もの年賀状を作成する。 先にお礼をもらった。マイルドセブンスーパーライト1カートン。 僕が吸っているタバコはマイルドセブンライト。仄かな軽め。超軽めではない。 看護婦さんは多分、僕の人間性を見てタバコを買ったと思う。 年賀状を30枚ほどプリントアウトしたところでインクが切れる。 今日は家を出ないって決めていたのに顔を洗い髭を剃り車に乗りパソコンショップへ行く。 プリントカートリッジ 3780円。 高いよ。割が合わないよ。吸わないタバコ1カートンに3780円出費した気分。 アパートに帰るなり電話が鳴る。年賀状を頼んだ看護婦さんとは別の看護婦さん。 「昼休みにマカロニサラダが食べたいのっ!」 ……。職場の近くの弁当屋まで行って130円のマカロニサラダを買う。 アパートから職場まで車で15分。職場からこの弁当屋まで歩いて5分。 休日の人に頼むべき事柄ではないと思う。 「ありがとーっ!急に食べたくなったの。はい、お礼」 缶コーヒー1本とカルシウムのサプリメント2粒。 やはり割が合わない。絶対損している。今日というニ度と戻ってこない1日を無駄にしている。 午後6時、年賀状作成が終わり、再び職場へ行き看護婦さんへ届ける。 「ありがとーっ!あと15枚できる?明日でいいから」 泣き笑いで無地の年賀状を受け取る。 神様は、ちゃんと見てる。 午後7時、職場からアパートへ戻る。アパートの駐車場に石焼きイモ屋。 風呂上りの隣の部屋の女性が焼きイモ屋のおじさんと笑顔で談話している。 その女性とアパートの階段で一緒になる。 「……あのー」 振り向くと紙袋いっぱいの焼きイモを抱えている。 「あの、おイモさん、いりませんか? いっぱいサービスしてくれて……」 彼女は照れ笑いを浮かべる。多分焼きイモ屋のおじさんはこの照れ笑いに魅了されて焼きイモをサービスしたんだと思う。 階段を吹き抜ける師走の夜風が風呂上りのシャンプーと石焼きイモの匂いを運んでくる。 「ありがとう」 僕も照れ笑いで“おイモさん”を受け取る。 受け取るときに彼女の細い指と、ただの焼きイモを“おイモさん”と擬人的に表現する彼女の人間性に触れる。 この“おイモさん”が今日の不条理を全て帳消しにしてくれたような気がした。 |
| 翌日 / 目次 / 先日 |