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| 2002年12月11日(水) 減らないピスタチオの夜。 |
| 「たとえばこのピスタチオはピスタチオであってピスタチオではない。 僕はこの事実を知ったとき愕然としたんだ。もう生きていけないって」 昨夜、親友と親友の友人と酒を飲んでいた。 親友の友人は、僕の知り合いでもあるという女性。 親友は独特の持論を持っていて、時にその言葉は酔った身体にさらに酔いを回す。 「僕は極論の狭間の葛藤の中に生きているんだ」 言いたいことはわかる。ピスタチオも葛藤も、言いたいことはわかる。 この親友の持論は、パンツを履いたあとズボンを履くというような一般的な段階を踏まずに発せられるので 興味深くて面白いのだけど、周囲のテーブルの人たちは僕たちの4次元的な会話の意味がまったくわかってなかったと思う。 そういう自分も4次元的な会話の4分の1程度しかわからない。 親友の友人だって、意味がわからなくなったら視線を落としてとりあえずビールを飲んでいる。 「おい!寝るな!」 そして一通り話すと、石油が切れたストーブのように大人しくなり、冷たくなる。 「僕には、こう、波があるんだ。今は眠たくて、仕方がない」 さっきまで目を輝かせて、この世のものは全部ウソだ。個性なんて結局誰かの物真似だ。 なんて言っていたのに、今はこの世の虚偽も否定した個性も全部どうでもいいような表情をして目を閉じている。 僕とこの親友は、似ているようで、正反対のようで、 結局、僕はいろんなものに妥協してしまって、親友はそれは違うと言ったけど 妥協=適応という公式が成立していて、全く自分に正直になれず、他人に心も開けず ただこうやって時々気の合う友人たちと酒を飲んでいるけれど その反面、この親友は、常に何かを悩んでいるようで、内に込めているようで、かといって のれんに腕押しで、打っても響かず、ただのらりくらりと日々を送っていて まぁよくわからないけど、これからもずっとこの親友とは親友であり続けると思う。 そして親友の友人は、 どうにかして親友の才能(それは僕も信じている)を開花させようと発破を掛けていて その掛け合いが絶妙で、頑張れ親友の友人!と心の中で叫んでいた。 たぶんこの3人でしかできない会話があると思った。 あの独特の世界観を持って語られる言葉たちは、どんなビールのつまみよりも美味しかった。 そう、ピスタチオよりね。 |
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