2002年12月10日(火)  三十路の魅力。
たまに行くスナックのホステスさんとカレー屋へ食事に行きました。
 
たまに行くと言っても最近こんなに冷えてきたので夜に外に出ることが億劫になって
このホステスさんがいるスナックでは計算したらもう5ヶ月くらい飲んでおらず、
5ヶ月前といえば、まだ7月で寒いから億劫だなんて言い訳もできず、
実際の話、僕は往々にして夜、外に出ることが億劫でたまらないのです。
 
「だったらお昼に会いましょう」
 
ということで、今日はお昼に歳の頃三十ニ、三のホステスさんとカレーを食べに行きました。
 
僕はこの女性と会うときはどうも男めかけ のようになってしまって
「大丈夫よ、心配しないで」
と言っては趣味の悪い財布から福沢諭吉を何枚も取り出します。
で、僕に何か買ってくれるというと、そういうわけでもなく、
ただただ趣味の悪い洋服を買いに、趣味の悪い大衆ブティックに連れて行かれるのです。
 
そして試着をしては「どう?どう?」と僕に訊ねるので、
僕は他人のファッションに対してあまり興味がないので、
「ん?あ、あぁ、キレイだね」
なんて調子のいいことばかり言っているとホステスさんも馬鹿ではないので
「あなたぜんっぜん本心から言ってないでしょ」
とペリカンのようにだらしなく口を尖らせて言うので僕も馬鹿ではないので
「きれい」「きれい」「ん、それはちょっと」「きれい」「ん、それはちょっと」
と自分なりに感想のローテーションを決めて、やはりいい加減に、しかし言葉では魂の込めて言うのです。
 
僕はこのホステスさんの趣味の悪い財布も季節感が感じられないファッションも
大衆ブティックも全然好きになれないけど、
時々ふとした瞬間(爪楊枝のようなタバコに火をつける瞬間とか)に
何か大きくて眩しいものを、いや、遠くのものを見定めるような、いや、定期的に襲われる何かの疼痛に耐えているような、
そんな目をする時があって、その瞳がとても魅力的なのです。
 
そんなホステスさんとカレー屋に行ったのです。
「本場のカレーが食べたい」
なんて言うから本場のカレー専門店に来たのだけど、店員(インド人)が
 
「カレーはナーンかライス、どちらでお召し上ががられれますか?」との問いに
 
「日本人はやっぱりライスでしょ」
 
と臆面もなく言い切るところが僕を離さぬ彼女の隠された魅力でもあるのです。

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