2002年11月18日(月)  稲穂実る。
僕のバッグにはいつもコンドームが2つ3つ入っている。
理由は知らない。使い方もわかんない。嘘つけ。
 
とにかくバッグの内ポケットの中にそれはいつも入っている。
「あ〜。コンドーム見っけ〜」
友人が僕のバッグを漁ってコンドームを空高くかざした。近所のカフェ。
周囲の目もはばからず、その正方形のビニールの袋をヒラヒラとかざした。
 
「やらしぃ〜。わ〜。やらしぃ〜。ベネトンってとこがこれまたやらしぃ〜」
 
僕は黙ってコーヒーを飲んだ。怒っているのではなくてただ恥かしいだけ。
 
「返せよ」
僕は運動靴を取られたイジメられっ子のような口調で言った。
 
「お前のモノはオレのモノ〜。ハハハッ」
友人はジャイアンの決めゼリフを無邪気に言った。
カフェのお姉さんと目が合って僕はすぐに目線を外した。
僕の頬は真っ赤になり耳からは煙が出ていた。
 
「案外しっかりしてるのね」
友人はまだなお手にコンドームを持ったまま言った。
 
「いちおう医療職だからね」
僕は言った。あまり関係なかった。
 
合理的に物事を進めるようにしている僕にとっての一番の課題が
コンドーム装着時間の短縮化なんだ。
ワンタッチ式とかも試してみたけど、やはりあの空白の「稲穂が垂れる」時間は逃れ様がないわけで
最初から着けてればいいじゃないかと思うけどそれはそれで興醒めしちゃうし
かといって着けないわけにはいかないし……。
そこで僕は考えたんだ。簡素化され合理化されたコンドーム装着法を!
例えばね、キミが仰向けにベットに寝てるとするでしょ、そこでね、
 
「ちょっと、声デカいわよ。バカ」
 
稲穂が垂れた。

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