2002年11月15日(金)  八方美人の苦悩。
僕は別に職場の人間関係で悩んでいるのではない。
職場の人間関係に付随するものに悩んでいるのだ。
 
どこの病院にも多かれ少なかれ医者と看護婦の対立というものは存在する。
たいてい医者は男で、当然看護婦は女。
そこには男女間関係の縮図というか拡大図というものが存在する。
 
僕たちのような看護士は、職業的な立場から中性的な意味合いが強く
「男らしさ」というものを求められない代わりにこの男女間の中間に立つ潤滑油のような役割を請け負いやすい。
 
例えば、看護婦さんが医者への不平や不満、怒りやマイナス感情を僕にぶつける。
まるで僕が医者であるかのように(この場合、医者の「立場」の代役なんだけど)僕を罵倒する。
 
どうなってんのよまったく!医者はね指示だしてそれでおしまいだけど私たちの仕事はそれからなのよ!
私たちがどれくらい苦労してんのかわかってんのかしら!それちゃんと伝えといてよ!
 
僕は「はぁ、まぁ、そうですよね」と曖昧な返事をしながらそれらの言葉を頭に入れる。
そして医者の元へ走り、その走っている間に、頭に入れた様々な汚い言葉を
自分の中で噛み砕き、消化し、加工して、当たり障りのない表現に変換し医局のドアを叩く。
 
「失礼します」
 
そして僕は先ほどの不平不満を、まるでそんなものは鼻からなかったように丁寧な言葉で話す。
 
「うん。看護婦さんたちの言ってることもわかるよ。しかしだね……」
 
そして医者は医者なりの看護婦への不平不満が始まる。
僕は「はぁ、まぁ、そうですよね」と曖昧な返事をしながらそれらの言葉を頭に入れる。
そして看護婦の元へ走り、その走っている間に、頭に入れたこと難しい言葉を
自分の中で噛み砕き、消化し、加工して、当たり障りのない表現に変換してナースステーションへ戻る。
 
※(くりかえし)
 
僕は職場でこのような立場にいます。
 
今日、先月赴任してきた新しい医者に
「キミはこの病院の情報センターのような役目をしているんだね」
と嫌味なのか本心なのかよくわからないことを言われた。
 
それは紛れもない真実なんだけど、隠しようのない事実なんだけど
 
看護婦さんから
「あなたは医者にも看護婦にもいい顔を通そうとする八方美人なところがあるわね」
と言われて
 
う〜〜〜〜〜ん。と
象のあくびよりも長い時間1人で首をひねって仕事の続きを始めた。

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