2002年11月09日(土)  シンプルライフシンドローム。
いつもの友人がセーターに首を突っ込んで遊びに来た。
 
「サムー!なんでカギが閉まってんのよ!」
 
開口一番怒られる。鍵が閉まっているだけで怒られる。彼女はいつもお満月。
僕は僕のルールで生きているし彼女は彼女のルールで生きている。
僕は滅多に部屋の鍵を掛けないし
彼女は僕の部屋に鍵が掛かっていると――それは必然的に――怒りを露にする。
 
思い通りにならなければ怒る。
世の中も僕の部屋に遊びに来た彼女のようであってほしい。
コソコソと愚痴を行ったり、ワァワァと泣き叫んだり、グィグィと酒を仰いだりしないでほしい。
シンプルであって欲しい。
 
まぁ世の中がシンプルだったら毎日こんな日記書いてないんだけどね。
世の中が複雑だからこそ、その数だけの物語があるんです。なんてね。ねぇ、聞いてる?
 
「知らないわよ。シンプルだかテンプラだかわかんないけど、あ、そうだ『固めるテンプル』ってお風呂の水も固まっちゃうって知ってた?もうプルンプルンに」
「え!?ウソ!?そいつは、すげぇや!」
「ウソよ。そういうワザとらしいリアクションはやめなさい。そうやってワザとらしくオデコを叩くのもやめてちょうだい。もう、イライラする」
「なんだよひどいよ話し振っといて!」
 
世の中がシンプルだったらこういう会話もきっとなくなる。
合理的な社会はきっと僕と、僕を取り巻く友人たちを駄目にする。
 
「あ、そうだ。11月18日って何の日か知ってる?」
「なんだよいきなり」
「今日はその日にまつわるイベントで忙しかったのよ」
「へぇ。腹減ったね」
「終わりかよ!その話題終了かよ!自分の無知をさらけ出したくないだけで話題から逃避するのかよ!」
「男のような口調はやめろよ」
 
「じゃあ何の日か当てて」
「うん。十一月十八日で、十と一をつけて十と八をつけて土木の日。当たってる?」
「当たってるわよ。わからない振りでもしてよ。つまんない」
「さっきワザとらしいリアクションはするなって言ったじゃないか。で、今日は何のイベントだったの?」
「……土木フェスタ」
 
「大変だね、OLさんも」
「ほっといて」

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