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| 2002年10月31日(木) 私は煙突掃除屋さん。 |
| 給料日だったので昨日美容院に行って髪を染めてパーマをかけた。 今朝、僕がカルテを記入していると看護婦さんが2人ニヤニヤしながら僕の前に立った。 僕はしばらく不思議そうにその看護婦さんを見上げていたけど 午前中はとにかく忙しいのですぐカルテに目を落として何も言わずに仕事の続きを始めた。 「チムチムニー チムチムニー チムチームチェリー♪」 突然歌声が聞こえた。再び見上げると2人の看護婦さんが体を左右に揺らして歌っていた。 「何やってるんですか」 「あなたの髪型よ」 看護婦さんはニヤニヤしたまま体も左右に揺らしたまま言う。 「髪型とその歌とどんな関係があるんですか」 「うーん、よくわかんないけど、その髪型ってチムチムニーって感じがするのよね」 「ワタシーはーえんとーつー掃除屋さん♪ってね」 もう1人の看護婦さんが言う。 「よく意味がわからないんですけど」 「要するに天然パーマの外国人の小年のような髪型なのよ」 少し意味がわかったような気がして残念な気持ちになった。 午後から僕の髪型が変わったことを聞きつけた別の病棟の看護婦さんがやはりニヤニヤしながら駆け付けてきた。 「よっ!ミキハウス!」 看護婦さんはニヤニヤというかものすごく嬉しそうな表情で言った。 「ミキハウス!?意味わかんないですよ」 「ミィキィハァゥス」 看護婦さんはミキハウスのCMの発音を真似して言った。 余計意味がわからなくなって残念な気持ちになった。 事務のお姉さんは「カワイイね」と言ってくれた。 「カワイイ髪型ね……。うん、カワイイ。……カワイイカワイイ」 と僕の髪を触りながら言った。 確実に「カワイイ」という言葉以外に相手を傷付けない適切な言葉を考えながら言っている口調だったのでまた少し残念な気持ちになった。 今夜は友人の女性と食事の約束。 彼女は僕を見て「あ、パーマかけたのね」と言っただけでそれ以上の言及を避けた。 そして髪型の話題は鍵が掛かった蔵のようなものに閉じ込められて食事の時間は進んだ。 食後、僕は残りのワインを飲んで彼女は窓から映る夜景を見ながらカルアミルクを飲んでいた。 そして独り言を呟くように小さな声で鼻唄を歌い始めた。 「チムチムニー チムチムニー……」 なぜキミまでその歌を! |
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