2002年10月11日(金)  下登り。
我が職場には「山岳部」というものが存在する。
部員は婦長さんと病棟主任さんと栄養士さんと後輩2人と僕の計6名。
発足して2年足らずだが、今までいくつかの山を制覇してきた。
 
不条理な多数決で山岳部部長になった僕には(僕はいつだって不条理な多数決に屈してしまう)
重大な任務が課せられている。
 
その名も「下登り」
 
言葉が矛盾している。おかしいよ婦長さん。
「下登り」とは今回登る山に前もって2人くらいで登って、
本番の日に登山道を迷わないようにするためのいわゆるプレ登山。
よって「下登り」をする人は同じ山を短期間で2回も登らなければならない。
しかも樹海で迷子になるという不安までつきまとう。
 
僕は山岳部部長ということで必ず「下登り」に行かなければならない。そういう決まりになってる!
婦長さんと病棟主任さんと栄養士さんはいうまでもなく僕たちより偉いというか強い人達なので
必然的にあと1人の「下登山者」はどちらかの後輩ということになる。
後輩は交替で「下登り」をすればいいけれど、僕は毎回登らなければならない。そういう決まりになっている!
 
「感動も2倍味わえるってことでしょ」
 
多分、婦長さんは「下登り」をしたことがないからそういう無責任なことが言えるんだと思う。
後輩2人で初めての登山道を黙々と登る無感動を味わってみればいいんだ!
僕は口にこそ出して言わないけど。口に出してなんて言えないけど!
 
というわけで今回も「下登り」の日程が決まった。10月25日。
僕のパートナーは……
 
「オッシャ!僕に任せてくださいッッス!ア・ア・アルプスッ!」
 
この日記に度々登場する(登場せざるを得ない)後輩。
しかも気合いの入れ方が「アルプスッ!」ってところがなんとも。
とりあえず語尾に登山を連想する単語を使って気合いをいれたかったらしい。
それが「アルプスッ!」とは。
その発想というかボキャブラリーの限界がいとも簡単に垣間見えるというところがなんとも。
 
この後輩は前々回の「下登り」であまりの登山のハードさに心身共に疲れ果てて
極寒の山の頂上でセミの幼虫のような格好をして2時間も昼寝をしたというつわもの。
僕は後輩が寝ている間、まるで小さな焚き火にでも当たるようにタバコを何本も吸い続けたことを覚えている。
 
まぁ一言で言うと、こんなの絶対ヤダってこと。

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