2002年09月17日(火)  トイレと心は綺麗な方がいいに決まってる。
僕は練習の事などすっかり忘れていてアパートの近くのラーメン屋でラーメンセットを食べていて
餃子を2つ残してしまって店長に怒られていた。
 
「それ食べ終わるまで勘定は受け取らない」
なんて理不尽なことを言うので、まるで昼休みに1人教室に残された憐れな偏食家のように
うっすらと涙を浮かべながら老夫婦のように仲良く並んだ餃子を眺めていた。
 
携帯が鳴る。昨日修理に出したので17世紀初頭にトロ遺跡から発掘されたような時代遅れの携帯電話。
ポケットに入れるとまるでビスケットが勝手に増えてしまったように膨らんでしまう。
 
「先輩!今日バレーの練習っスよ!」
「あ、あぁ。そうだったそうだった今日は、練習だった」
「今何やってんスか!」
「ラーメン屋に、軟禁されてるんだ」
「ワケわかんねっスよ!みんな集まってるから早く来て下さい!」
 
というわけで残りの餃子を無理矢理口に詰め込んで、ラーメンの残りの汁で一気に食道まで流し込んで
「よくやった」と店長に意味のない励ましをされてラーメン屋を出て体育館に向かった。
 
体育館に着くと練習はもう始まっていて、僕は悠長にストレッチをしていたら突然腹部に激痛が走った。
 
「腹が、痛い。もう、駄目かもしれないので帰りたい」
「ワケわかんねっスよ!早く準備して下さいよ!」
「その前にトイレに行かせてくれ。トイレは、どこだ」
「外っスよ!知ってるくせに!」
 
この小学校の体育館のトイレは外にあっておまけに汲み取り式なので夜に1人で行くととても怖い。
あんな陰険で見たこともないような小さな虫が裸電球にたかっているトイレで用を足すなんて出るものも出なくなってしまう。
おまけにそのトイレの「トイレはきれいにしましょう」の張り紙に書いてある男の子の顔が
排泄物に生気を吸い込まれたような無気味な顔をしているのでより一層怖さを演出している。
 
張り紙を見ないようにトイレに座る。トイレの花子さんとか、そういうことを考えないように努める。
目を閉じて肛門に意識を集中させる。手探りでテッシュペーパーの位置を確かめる。
餃子のような排泄物を出した後、目を開ける。真っ暗。
 
「コノヤロー!電気消すなよ!コノヤロー!早く!早く!」
 
小学校の体育館のトイレで大人げない大声を挙げる26歳。
小学校の体育館のトイレで大人げないイタズラをする後輩24歳。

-->
翌日 / 目次 / 先日