2002年09月11日(水)  歪全部。
「歴史はシャワー中に作られる」
 
という格言を知ってますか?
シャワーを浴びてるときに限って大事な用件の電話があるのです。
 
「助けて!今すぐ来て!○○ビルの3階の奥の店にいるから!」
 
こんなの嘘に決まってるよ。これは、演技だ。騙されないぞ。
○○ビルの3階って最近できたバーのある場所じゃないか。
助けて!今すぐ来て!ってねぇ、ドラマじゃあるまいし。
 
それじゃあ何?クローゼットの奥に隠してある拳銃を取り出して
そのビルの3階に向かえばいいってわけ?
チンピラか何かわからないけど、おもむろにバーの扉を開けて
「てめぇ!何者だ!」
なんて因縁つけてくる白いスーツの下にアロハシャツを来たチンピラに
無言でバンバンバンって拳銃を発砲すれば万事OKなんですか?
 
キミを助けて、手を引っ張ってビルの階段を走って降りて
ビルとビルの間に隠れて、息を潜めながら追って来たチンピラが通り過ぎるのを待てばいいの?
 
「いったいどうしたっていうんだ」僕はキミに訊ねる。
「おとっつぁんを助けようと思ったら捕まっちゃったの」
 
おとっつぁんて。キミはいつの時代からタイムスリップしてきたんだ。
ここは江戸時代でも城下町でもなくてあのチンピラは悪代官でも越後屋でもないんだ。
平成のチンピラなんだ。白いスーツにアロハシャツ。
関係ない話だけど成人式で原色系のスーツを着る男はたいてい数年後に白いスーツとアロハシャツを着ることになるんだ。
 
話を戻そう。
 
僕はシャワーを浴びていた。そしてシャワーの途中に電話がなった。
留守電には「助けて!今すぐ来て!ビルの3階の奥の店にいるから!」
あえて古典的なセリフを発したキミの真意を考えた。
だから電話を掛け直した。
 
キミがもしその、例えばチンピラとか何かに絡まれて切迫した状況に置かれているとすれば
キミが電話に出る可能性は極めて少ないということになる。
 
案の定、キミへ電話は繋がらなかった。
キミが置かれた状況が冗談じゃ済まされないってことに気がついた。
慌てて服を着てアパートの階段を駆け下りる。
 
車に乗り込みもう一度電話を掛ける。
無感情な呼び出し音が3回鳴り、聞き覚えのない女性の声がする。
 
「おかけになった電話は、現在パケット通信中です」
 
呑気にメールかよ!

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