2002年08月30日(金)  26−19=1/3
「最近見ないね。何やってるの?」
行き着けのスナックのホステスのお姉ちゃんに久し振りに会った。
ホステスのお姉ちゃんといっても年齢は24歳で僕より年下だった。
本人は24歳と言っているけど、他のホステスからあの子は19歳だという真実を聞いた。
 
ホステスは時として、このようなしょうもない嘘をつく。
24歳の女の子が19歳とさばを読むのならまだしも、
19歳の女の子が24歳とさばを読む必然性はどこにあるんだろう。
 
ホステスを辞めて普通の19歳の女性になった彼女はラブホテルでバイトをしていると言った。
 
「大変よホントに。わざわざ台風の日に来るなっちゅうの」
「多分、こんな日は外で遊べないから、ラブホテルに行っちゃうんだよ」
「だったら自分の部屋でしろっちゅうの」
「自分の部屋じゃ、刺激とか、ないからでしょ」
「自分の部屋じゃ刺激がないからじゃなくて相手の男に刺激がないのよ」
 
彼女はまだ19歳なのに、時々大人びたことを言う。
「そうかもしれない」
そして僕は若い子にそんなことを言われるとすぐ尻込みしてしまう。
 
「シーツはクシャクシャのまま帰るし!ゴムはティッシュにくるまないまま帰るし!」
 
言い忘れたけど、今日僕はこの元ホステスの彼女とツタヤでばったり会った。
新作CDの棚の前で僕に向かって大声でそんなことを言うので
周りの人はきっと僕のことをシーツをクシャクシャにしてゴムは放り投げるような男だと思ったに違いない。
 
「で?時給とかスナックよりいいの?」
「いいわけないでしょ!時給なんて3分の1よ!他人のセックスの後始末がスナックの時給の3分の1なのよ!」
「他人のセックスの後始末って言葉、なんかイヤだなぁ」
「間違えてる!?私間違えてる!?何がイヤだっていうの!?」
「ほら、違う言葉に置き換えるとかさ」
「例えば!?言ってみなさいよ!」
「んー。愛の抜け殻とか」
「バカじゃないの!?」
「ゴメン。バカだったかもしれない。恥かしく、なってきた」
 
彼女は大声で笑う。19歳の女の子に大声で笑われるなんて。
 
「で、どうしてスナックやめちゃったの?」
「んー。よくわかんない」
「わかんないって?」
「んー。知らない人とね、仲良く話す振りするのが、なんだか怖くなっちゃったの」
「……」
「すごく怖いの」
 
彼女が本当に24歳だったら、よかった。

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