2002年08月23日(金)  嘘の大火事。
友人の誕生パーティがあるのをすっかり忘れていて、僕はユカちゃんと食事に行っていた。
 
「もしもしっ!今どこにいるのよ!」
「あ、あぁ。ごめん。寝てた」
「嘘つかないでよ!メチャクチャ騒がしいじゃない!」
「あ、あぁ。ごめん。騒がしいとこで寝てた」
「どうしてそんなに嘘の上塗りなんてするのよ!」
「本当のこと言ったってどっちにしろ怒るでしょ」
「怒るわよ!もうみんな来てるのよ!だいたいあなたはいつも・・・」
 
ピッ。
 
「誰から?」
一緒に食事をしていたユカちゃんがパスタが絡まったフォークを口元で止め、ニヤニヤしながら言う。
「妹だよ。なんでもないよ」
僕は食後にって言ったのに食前に来てしまったコーヒーを飲みながらなんでもなさそうにそう言う。
「なんかスゴイ慌ててたみたいだったけど?」
ユカちゃんは時々悪いことをした子供に尋問する母親のようにとても意地悪になる。
「あ、あぁ。慌てるほどでもないよ。実家がね、火事なんだって」
そして僕はどの嘘をどのように上塗りしてきたかわからなくなる。
「まぁ、大変!」
ユカちゃんは笑いながら大袈裟に指を開いて口元を隠す表情をする。
 
「また電話鳴ってるわよ」
「あ、あぁ。本当だ。電話が、鳴ってるね」
「消しに行かなきゃ」
「電話を?」
「火事よ」
「ありがとう。またご飯でも食べに行こう」
 
ユカちゃんはとても優しい。何だってお見通しだ。
僕は車に乗った途端に慌て出して誕生パーティの場所へ急ぐ。
 
「お待たせ」
「ああーっ!!遅いよー!!何やってたのよー!!」
「実家がね、火事だったんだ」
 
ねぇ、知ってる?
世の中のね、7割は虚偽で成り立ってるんだって。

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