2002年08月07日(水)  投げやりな夏休み。
久々に仕事で疲れた。ああもうやってられねぇやと思った。
なんでも僕に仕事を押し付けたら文句1つ言わずに責任持ってしてくれるなんて思ったら大正解だよ。
いや、今日は最後まで責任持ってやり遂げなかったんだけどね。
今回の仕事は、ちょっと僕に荷が重すぎた。僕1人でするなんて最初から無理だったんだ。
 
エアコンの効きが悪いナースステーションで、ミンミン蝉の声を聞きながら
書類とにらめっこしてたら突然、あ、もういいや。と思った。
白衣を脱いで海に行きたくなった。
 
20年前の8月7日ってきっと近所の海で朝から晩まで泳いでいたんだ。
20年後の8月7日に何度読んでも訳のわからない書類の処理をしているなんて想像もせずに朝から晩まで泳いでいたんだ。
これからもずっと夏休みは決まった時期に決まったプロセスを得て訪れるものだと信じていたんだ。
 
あの頃に帰りたい。クラゲに刺されて近所のお婆ちゃんにキンカンを塗ってもらった頃に帰りたい。
あのお婆ちゃん、もう死んじゃっただろうなぁ。
僕が小学生だった頃からお婆ちゃんだったもんなぁ。
中学の頃に僕たちが引っ越す時もお婆ちゃんだったもんなぁ。
 
「あ、その仕事もう終わらせてくれた?」
終わるかっての。意味わかんねっての。僕は海に行きたいんだ。
院内感染対策委員会が発足して委員長が僕でいいんかい?っての。暑いよ。海に行きたいんだ。
 
「あー。終わんないです。婦長さんこのマニュアル読んでみました?
院内感染サ−ベイランスシステムって何ですか?インフルエンザ菌ブランハメラ菌なんて聞いたことありますか?
あー。訳わかんないです。専門外です。そもそも前任の対策委員会の人は何してるんですか?」
「さっき弁当食べてたわよ。ちょっと聞いてよ。あの人ね、タッパーにね、カレー入れてきたのよ。
具がね、カボチャとジャガイモなの。おかしいでしょ。『うちの嫁はカレーに肉なんて入れてくれない』
って嘆いてたわよ。ね。おかしいでしょ」
「笑えないですよ。おかしくないですよ。そんなことより手伝って下さいよ」
「でね、サラダに青じそドレッシングかけてその上にマヨネーズかけてるのよ」
「あー。海行きてぇ」
 
こんな調子じゃ誰だって投げやりになっちゃうよ。

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