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| 2002年07月24日(水) 26歳の昼休み。 |
| 婦長さんが小さなケーキを買ってきて、昼休みに小さなバースデーパーティを開いてくれた。 「これからも人一倍働いてもらわないといけないから」と何気にプレッシャーをかけられたりするけど 年に一回、こうして職場の昼休みに小さなケーキがまわるのだったら人一倍働いてもいいなあと思ったりする。 まぁ、だけど人一倍用件を頼まれたりすると(僕は物事を断る方法を知らないのだ) 「僕ばっかりに頼むなよ」と心の中で文句を行ったりするんだけどね。 小さなケーキは、看護婦さんの数だけあって「好きなもの取ってもいいわよ」という婦長さんの一声で 皆一斉に手を伸ばして、手を伸ばし損ねた僕は残り物のケーキを取る有様で これは、誰の誕生日なんだ?と自問自答せずにはおられない状況になったけど こういう時、目の前の甘い欲望に負けずに、僕がケーキを取るまでじっと待っている看護婦さんがいると なんだか切なくて意地らしくて嬉しくて「あ、あぁ、先に取っていいですよ」と言ってしまう。 僕は結局残り物でも十分なんだ。 こうして小さなテーブルに皆一つずつ小さなケーキがまわって、さぁ、頂きましょうかという時に ある看護婦さんに「今日はあなたの誕生パーティでしょ。誕生日の歌唄いなさいよ」などと とんでもなく不条理なことを言われて、自分の誕生日に自分で歌を唄うってことは誰が考えても 不条理なので、不条理を許さない婦長さんに哀しい眼差しで救いを差し伸べたけど婦長さんも 「歌って歌って」 という有様で!僕の意思と反するように始まった手拍子と共に ――僕だって空気を読めないわけではないので―― 「・・・ハッピバースデートゥーミー・・・」と涙が出そうになったけど、呟くように歌い始めた。 すると1人、また1人と看護婦さん達が歌い始めて いつもは冷たい廊下に、病院という概念とは少し不似合いな 26歳のお人好しの誕生日を祝う歌が響き渡った昼休み。 |
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