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| 2002年06月27日(木) 終焉後の制裁。 |
| 空港に到着したのはあの忌まわしい飛行機が経つ70分も前だった。 忌まわしい飛行機は、忌まわしい時間に、忌まわしい場所へ経ってしまう。 社会的に許されなくても、それを本人が自覚していなければ ――主観的に判断しながら客観的に傍観すれば―― それは愛と情熱と安らぎに満ちた生活を送ることができるってことを学んで、 空港のロビーに1人座りながら思い出していた。 別れの時間が近づいていた。 数週間前のあの日から、僕たちは全く会わなくなっていた。 どちらかが避けていたわけじゃないし、どちらとも避けていたのかもしれない。 時々、囁くような声で電話がかかってきた。 僕は1人ソファーに座ってその電話の声を聞いていたけど、 彼女は1人でソファーに座っているわけじゃなかった。時々、無邪気な笑い声が聞こえたし、 ヒステリックな泣き声が聞こえたし、ドアが開く音と同時に突然電話を切られることだってあった。 最後の電話の内容を今でも覚えている。忘れてたら今頃空港なんかに来ているはずがない。 「6月27日、2時20分。2時ってお昼の2時のことよ」 そんなこと言われなくたってわかっているし、わからなくても深夜の2時には空港に向かっていただろう。 彼女は時間を告げただけで、空港に来てとは言わなかったけれど、 これは、彼女に対する、最後の、自分の意思。 彼女にはこれからも守るべきものがあって守られる人がいて 僕はこれからも守るべきものを探し続けなければいけない。 搭乗口に入ろうとしたとき、彼女は、一通り辺りを見渡した。 それは、もう、確かめようもないけど、僕の姿を探していたのだと自分に言い聞かせた。 小さな女の子と手を繋ぎながら周囲を見渡して、搭乗口に入る姿を見たとき、僕は背を向けて走り出したくなった。 だけど、そんな僕の意思とは相反して、その視線は繋がった。 一瞬怯んだ瞳に様々な感情を凝集させて 14時20分発の飛行機は、いとも簡単に僕たちを引き離すことに成功した。 社会的な制裁を免れた約半年に渡る表面上の幸福な関係は、とうとう終焉を遂げた。 昔の彼女を腕枕した次の日には、不倫に陥った人と引き離される。 誰が見たって、誰がこの文章を読んだって 僕がろくでもない大人になっていることは、火を見るよりも明らかだった。 暫く地下に潜ります。 |
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