2002年05月10日(金)  僕は悪くないので。
なんとも複雑な事態に陥ってしまった。
 
数日前、友人2人(男1人、女1人)と僕の3人で食事に行った。
複雑なので、友人男を裕一(仮名)。友人女を香織(仮名)とする。
 
裕一と香織と僕の3人はいつものように他愛のない話をしながら韓国料理を食べて
それぞれ帰るはずだった。
勘定を終え、香織を見送ったあと裕一が僕に耳打ちした。
「ちょっと協力してほしいことがあるんだ」
裕一が人に物を頼むなんて珍しい。
 
「今から俺と酒を飲みに行ったっていうことにしてくれないか?」
言葉の意味はすぐにわかった。
要するに裕一はこれから彼女に黙って、何処かへ行こうとしているのだ。
多分、浮気相手に会うのだろう。
裕一には祥子という彼女がいる。祥子の裕一に対する束縛は目を見張るものがある。
 
「いいよ、そのくらい」僕は安易に首を縦に振った。
 
そして裕一は夜の街へと消えて行き、僕は家に帰った。
風呂に入り、ソファーでうたた寝していると、部屋の電話が鳴った。
部屋の電話が鳴るのは珍しいので誰だろうと思いながら受話器を取った。
 
「・・・どうしてあなた家にいるの・・・裕一と一緒じゃないの・・・」
!!祥子だ。まさか部屋に電話するなんて。
「いや・・・あの・・・えと・・さ・・」
と言葉を濁しているうちに祥子は電話を切った。
 
厄介なことになってしまった。面倒臭いことに巻き込まれてしまった。
裕一のために事態をどうにかしようかと思ったけど、
裕一の浮気を応援する気などさらさらないし、何よりも眠たくて仕様がなかったので
僕はそのまま布団に潜り込んで寝てしまった。
 
翌日、裕一と会った。
「昨日はありがとう。祥子には全然バレずに済んだよ」
裕一はまだ祥子と会っていないらしい。
 
その夜、祥子と会った。
「ねぇ、昨日あなたの家に電話したこと裕一に黙っててくれない?」
祥子はまだ裕一と話をしていないらしい。
 
その夜、香織から電話があった。
「アンタと裕一、昨日私を見送ったあと飲みに行ったんでしょ!
どうして誘ってくれないのよ!」
 
・・・・
 
なんとも複雑な事態に陥ってしまった。
裕一の浮気を応援する気などさらさらないし、
祥子の嫉妬を助長させる気もさらさらないし、
香織に言い訳するのも面倒臭いし、
何よりも眠たくて仕様がないので
今日もそのまま布団に潜り込んで寝てしまおう。

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