2002年04月04日(木)  香り満ちて意思が消える。
香水をつけている女性は嫌い。と昔書いたような気がするけど、
それは嫌いということじゃなくて、
好きということを自分で認めたくなくて、嫌いと言っていることに気付いた。
いや、とっくに気付いていた。
 
だけど嫌いじゃないけど好きでもない。
僕は香水の香りに弱いのだ。
コンビニで立ち読みしている時にふいに横に立った女性の香水の香りや
カフェでテーブルをはさんでカプチーノの匂いと重なった香水の香りや
バーでトイレから帰ってきてテーブルに着いたときに香るつけたばかりの香水の香り。
僕は嫌いだ。嫌いじゃない。好きだ。好きでもない。弱い。
 
自分の中の何かが音を立てて崩れていくことがわかる。
道徳も、規律も、自制も、ある種の香りによって開放されていくことがわかる。
僕の部屋で誰かが静かに待っていようとも
受話器の向こうで誰かがうつむいていようとも
 
目の前に、僕を取り巻く空気に立ち込める香りに、目と鼻と心を奪われる。
 
罪悪感?何ですかそれ?難しいことは意味がわかりません。
良心?何ですかそれ?食べる物ですか?
 
目の前に、魔性の香りを漂わせて手招きされている状況で、
それに屈しない強固な意思を持っているのならば!
 
僕は今頃こんな人生歩んでいませんよ。

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