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| 2002年03月14日(木) おにぎり。 |
| 退屈な講義。ふと僕の横に座っている女性を見ると、その女性も睡魔と闘っている最中だった。 カクンと首が落ちて、はっと我に帰ったとき、ちょうど目が合って、照れた後、舌を出して笑った。 休み時間、校舎の通路で2人でタバコを吸いながら話をした。 彼女は、10分の休み時間の間に4本ものタバコを吸った。 少し吸っては消して、間髪入れずに新しいタバコに火をつけて、吸っては消した。 「なんかわけわかんないのよね〜」彼女は曇った空に煙を吐きながら言った。 「何が?」僕も曇った空に煙を吐きながら言った。 「何のためにこんな勉強してんだろって」 「それ、僕も思う」 僕は何のために社会システム理論とか個人援助技術の概念を勉強してんだろう。 「鹿児島からここまでいくらくらいお金かかるの〜?」 「4・5万くらいかな」 「えっ!そんなにかかるの〜!?」 彼女の言葉は必要以上に語尾を伸ばす。 「キミはここまでどのくらいかかるの?」 「バスに揺られて往復400円」 「でも、得られるのも眠くなるのも一緒」 「一緒だねぇ〜」 あまりにも講義中眠っていたので、講義が終わる頃には何を学んだか全然わからなくて 僕は教室に残って、教授に質問していた。 「ニーズってそもそも何なんですか。要求と欲求の区別って何ですか。 どこまでが要求でどこからが欲求なんですか。僕はクライアントの何を援助すればいいのですか」 教授は少し困っていたけど、丁寧に教えてくれた。 教室を出ると、彼女は通路で休み時間と同じようにタバコを吸っていた。 「随分熱心に質問してたね〜」 「講義についていけなかっただけだよ」 「何質問してたの〜?」 「要求と欲求の違い」 「何それ!?今日そんなの習ったかなぁ」 「いや、習ってないかも。ただ気になっただけ」 「変なこと気にするんだね〜」 「4・5万かけて東京まで勉強しにくる奴は変わり者なんだよ」 彼女は帰り際、「講義中おなか空くかなぁと思って作ったんだけど結局食べなかった」 と言って、僕におにぎりをくれた。 初対面の人が作ったおにぎりを、しかも東京で食べるなんて不思議な感じがしたが とても美味しかった。 |
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