2002年02月23日(土)  優しさ。
人と会うとき、僕の携帯はいつもマナーモードに設定している。
実際に会って話をしているときに、
携帯が鳴って、その時の話題が中断されてしまうことが嫌いなのだ。
 
その人が携帯で話していると、相手は手持ち無沙汰になり、結構空しい。
意味もなくタバコを吸ったり、灰皿を弄んだりしている。
僕なんて、なんだか仲間外れになったような気分になる。
電話で話している相手が楽しそうに話せば話すほどその気持ちは強くなる。
チラチラと横目で僕の顔を見られた日には
そんな顔で僕を見ないで。と泣きたい気分になる。
 
だから相手にそういう思いを抱かせないために、僕の携帯はマナーモードに設定している。
 
しかし、この人思いの行為が時に誤解を招くことになる。
 
僕は彼女といるときもマナーモードにしている。
別にやましいことなんてない。ただ僕は相手に嫌な思いをさせることが嫌いなのだ。
しかしマナーモードでもバイブレーターの音は鳴る。
 
夜も更け、コンポから流れる音楽も部屋の灯りも消して、
ベッドの中で愛を語ろうとしているとき、
 
ブーン。ブーン。ブーン。
 
「・・・」
「ねぇ、携帯鳴ってるわよ」
「・・・」
「ねぇってば」
「愛してる」
「そんなことどうでもいいわよ」
「どうでもいい?」
「いや、そういう意味じゃなくって、携帯が鳴ってるのに」
 
ブーン。ブーン。ブーン。
 
「いいよ。そんなの。後からで」
「よくないわよ。誰なのよ。怪しいわよ」
「怪しくないよ。そもそも怪しいことなんてしてないよ」
「じゃあ着信歴見せてよ」
「いいよ」
「誰よ!この○○子って!」
「友達だよ」
「じゃあなんで携帯取らないのよ」
「だって、ねぇ、ほら、雰囲気壊れちゃうじゃない」
「もう壊れちゃってるわよ」
「愛してる」
「遅いわよ!」
 
人の優しさは、思いがけず裏目に出ることがある。

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