2002年02月22日(金)  黒い翼。
昔は束縛されててね、僕の翼は彼女がもぎ取ってしまったんだよ。
もう6・7年も前の話なんだけど。
 
専門学校でクラスが一緒でね、
その当時、僕はミニ・クーパーっていう車に乗っていたんだけど、
彼女はその車がものすごく好きでね、
車が好きなのか僕が好きなのかよくわからないまま付き合い始めたんだけど、
とにかく束縛がすごかった。
僕のハンドルは確実に彼女が握っていたんだ。
 
なんだかんだ言って、若いということはやっぱり未熟なんだよ。
みんな多かれ少なかれ恋愛中に束縛が生じるんだ。
その人をできるだけ自分のものにしたいっていう欲求が強いんだ。
理由は簡単。ただ若いから。意味もなく若いから。
 
僕たちは意味もなく理由もなく若かった。
 
だけどほら、見てみなよ、気付いたら今年でもう26だよ。
うん、まだ若いとは思うよ。うん、若い。
だけど、やっぱり若いだけじゃないんだ。
ほら、見てみなよ。僕の親友たちはみんな結婚しちゃった。
部活帰りに一緒にスーパーで万引きした友人は今年の春に子供が産まれるんだってさ。
 
ん?今?うん、今は比較的自由です。抜本的に自由です。
信じられないかもしれないけど翼ってね、再生するんだよ。
7年前にもぎ取られてしまった翼が生えて来るんだよ。ホントだって。
しかも以前の翼より大きいんだ。ていうかまだ成長してるような気がする。
翼が大きくなりすぎて背中が重いんだ。最近肩こりがひどくってね。
 
自由の代償?
 
ハハッ。いいこと言うねぇ。肩こりは自由の代償!
だから僕はキミに対して束縛はしない。翼をもぎ取ったりはしない。
キミもキミの持っている翼は大切にしたほうがいいよ。
キミの背中に生えているその翼は、とても綺麗だから。
僕はね、キミの翼から抜け落ちた羽をそっと拾ってね、
小説のしおりにしてるんだ。キミの羽一枚とってみても、白くて眩しくてとても綺麗だ。
 
だからその翼は大切にしたほうがいい。
 
だって見てみなよ僕の翼を。
以前より大きくなってることはいいんだけど、ほら、
 
こんなに黒いんだ。
 
汚れてしまってるってことだね。
愛してるよ。

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