2002年02月20日(水)  遠い地のキミへ。
君は今まで充分に真面目に生きてきた。
多少、真面目過ぎたのかもしれない。
 
これまで歩いてきた道のあらゆるところに転がっている禁断の実を
キミは一度も手に取らなかったんだ。
手に取るはおろか、振り向きもしなかったんだ。
 
傍らの人と、手を繋いで。離れずに。離さずに。
 
キミはその手を繋いでいる間も、成長してきた。
傍らの人も、気付かないくらいの深いところで成長してきた。
キミは、この数年で柔軟な発想と、好奇心と、対象への愛を手に入れた。
 
その、一直線の道の地中深くに、それはいつのまにか生まれていた。
 
キミでさえも気付かなかったんだ。
 
ある日、キミは禁断の実を口にすることになる。
その時に、潜在し、成長し、洗練された様々な感情が開花する。
 
キミはキミを取り巻く世界が広がることを、体で、心で認識する。
視界が広がる事を肌で感じる。
右手で傍らの人と強く手を握り、左手は大空へ何かを求めるように差し伸べる。
 
携帯を取る。
僕の言葉がキミの行為を助長する。
間違っちゃいない。それが真実なんだ。そういうものなんだ。
 
キミも照れながら肯定する。「そう?」
 
それぞれの行為の答えは、それぞれの人が導き出せばいいんだ。
決して1つではない。一般論が正義では、ない。
 
キミはたたんでいたその翼を大きく広げている。
キミの声の抑揚でわかる。
 
独り暮らしを始めてから実家の大切さを知る。
そういうものだよ。
全く相反する行為をすることで、対象への愛が深まるんだ。
そうやって翼を広げるんだ。そうやって視界を広げるんだ。
 
何度も言うけど、キミは間違っちゃいない。
そのまま素直になればいい。何も恐れずに。無垢の瞳で。
 
翼が汚れたら、もとの泉に戻って洗い流せばいいんだ。
そういうものなんだ。
綺麗事なんてのは、義務教育の期間だけ学べばいいんだ。
 
キミの行為は綺麗事の応用なんだよ。
行き着くところは、やはり美しい。辿り着くところは、やはり澄んでいる。
 
どっちにしろ幸せになれるってことだね。
今までキミが歩いてきた真っ直ぐの道が証明してるよ。
 
それと、これは基本的な問題なんだけど、
キミはとても可愛いから大丈夫。
 
容姿も声も思想も愛も。
キミはこれからもずっと守られていくと思うよ。

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