2002年02月17日(日)  運命。
朝起きると、外は雨で、アパートから見える駐車場の水たまりに映る
無表情な雨雲を眺めて、僕は起きたばかりの姿でジャンパーを羽織り、
駐車場まで行って、小さなカメラでその小さな水たまりを収める。
 
その一瞬の景色が、僕の中に、何の予兆もなく
――予兆はあったかもしれないけど――
収まった場合、僕はそれをどう説明すればいいのだろう。
 
カメラを現像に出して、日が暮れる頃に、
出来上がった朝の1つの景色を見て考える。
この景色は2度と戻ってこない。
もし僕がカメラで撮っていなかったら、それは時間という概念に逆らうことなく、
確実に過ぎ去って行く景色。
 
人は、例外なく、時間という概念に逆らうことができずに、
常に、その絶対的な概念を覆そうと、努力をしてきた。
カメラに景色を捕えることも、その時の思いを文章にしたためることも、
それは時間の概念への小さな抵抗。
後悔しないために――そう、後悔しないために!――
僕はシャッターを押して、キーボードを叩く。
 
後悔しないために――そう、後悔しないために!――
今の景色を、これからもずっと心の中に残すために、
 
心のカメラでキミを捕える。
 
ほんの些細な瞬間と、ほんの一瞬のタイミングと 、ほんの一握りの勇気を
絞り出せば、絞り出しさえすれば、
それは自分でもビックリするような軽さで、心のシャッターを押すことができる。
 
その一瞬が、何でもなかったその一瞬が、
これからの自分の生活に多大なる影響を与えるとするならば、
 
それは奇跡と呼べなくて何と呼べるだろう。
それを運命と呼べなくて何と呼べるだろう。

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