2002年02月13日(水)  聖域。
「あなたには聖域があるのよね」
 
って、誰からか言われたことがある。
誰だった哉?ここで重要なのは誰が言ったかではなく、
どうして聖域が存在するのかということだ。
 
僕には僕しか立ち入れない場所がある。君だってそうでしょ?
「私は、いつでも門戸開放してるわよ」
って言ったよね、確か。誰だった哉?
 
昔、このサイトの嘘腐童話で「3匹のコブタ外伝」という童話を書いた。
僕の聖域がいとも簡単に侵されてしまった。という物語。
あの物語を書かせるに至った、彼女の力は、多分、絶大なものだったと思う。
今でもそう思う。
 
「あなたはあなたの中の何を守ろうとしているの?」
って言ったよね、確か。誰だった哉?
「よくわかんないよ。僕の中に聖域があるなんて思ったことないし」
って言ったはず、確か。
僕は図星をつかれたので、思いがけず狼狽してしまったんだ。
 
確かに僕には聖域が存在する。汚れのない場所。汚れを否定する場所。
その広い聖域の真ん中には、頭蓋骨が置いてある。
誰の頭蓋骨?それは僕の頭蓋骨。死んでしまった僕の頭蓋骨。
 
今もこうやって生きている僕は、時々その聖域に踏み込んで
死んでしまった僕の頭蓋骨をそっと手で包む。目を閉じて。
 
君が望むのなら、連れて行ってあげる。
手を繋いで、指と指をしっかり繋いで、繋がれた手からは汗がにじんでいる。
どっちの手から出た汗かわからないけれど、
その汗で僕たちは、穏やかに気持ちを通じ合えることができる。
 
君が望むのなら、連れて行ってあげる。
僕の聖域へ。
見せてあげる。僕の頭蓋骨を。死んでしまった僕の頭蓋骨を。

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