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| 2002年02月12日(火) 8丁目公園。 |
| 今日気付いたのだけど、確実に過去は過去のものとなっていた。 セピア色に色褪せて、胸の中のアルバムにそっと(几帳面に)整理されていた。 フラッシュバックすることもないし、夜空を見上げて嘆くこともない。 春の出来事は、歴史の教科書の如く事実しか表現できなくなっているし、 夏の出来事も、2月の空気にさらされて冷たくなってしまった。 秋の出来事は、来るべき冬の、序章の序章に過ぎなかったのかもしれない。 人は、生きていく過程の中で、宿命的に傷付いていかなければいけないのだけど、 傷の数に比例して、その傷を受容するキャパシティも同時に広げていかなければならない。 小さな小さなキャパシティの中で、フレキシビリティーがやや欠如したキャパシティの中で、 過去の僕は、精一杯生きていた。古い傷を新しい傷で埋めた。それが正しい生き方だと思っていた。 素直になることを拒んだ。歪みを修正せずに、偏りを助長した。 ある時、砂漠の真ん中で1人で立たされた。砂、砂、砂。 見渡す限り、無感動な砂ばかり。 僕はその無表情な砂を手にとり、指間からこぼれ落ちる無目的な砂を漠然と眺めた。 井戸の中には蛙がいた。大きな海の存在を知らない蛙がいた。 僕は目を細めて、遠くを見つめた。 照りつける太陽が地平線を揺らしていた。 揺れる景色の中で僕は――ブランコを見つけた。他の場所を凝視する。 僕はジャングルジムを見つけた。すべり台を見つけた。花壇を見つけた。 そこは砂漠の真ん中ではなかった。8丁目の公園の砂場だったのだ! 同時に井戸の中だったのだ! 驚愕→唖然→焦燥→混乱→悲観→安堵。 以上の過程を得て、僕は公園の砂場を受容した。 全ては過去のものとなった今、僕は大海へと身を投げる。 |
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