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| 2002年02月07日(木) 肴の目。 |
| たしか、僕の右足の魚の目は高校1年のときにできたと思う。 部活の時、右足に違和感を感じたことを今でも覚えている。 右足の裏の中央に何かの宿命のように突如現れた小さな魚の目。 最初は珍しさも手伝って、風呂上りにポリポリ削ったりしていたが、 この世に存在する全ての物と同じく、魚の目も例外ではなく、なんだか飽きてしまって、 まぁ、いつかは治るだろう。 と思うようになった。 時は流れた。僕は高校を卒業し、看護学校に進学し、友人は結婚し、僕は彼女に逃げられ、 就職し、友人は子供を産み、僕は彼女に逃げられ、友人は2人目の子供を産んだ。 この期間10年。僕が高校1年だった頃は、もう10年も前なのだ。 そしてこの10年の間に少なくとも2人の新しい命が誕生しているのだ。 友人は子供を2人産んで、最近はめっきり老け込んでしまった。 右足の裏をのぞく。10年経った今も魚の目は、元気に靴の底を眺め続けていた。 そして成長していた。 とても成長していた。 ものすごく大きくなっていた。 まぁ、いつかは治るだろう。と思いながら10年の月日が流れ、 僕の身長の伸びはとうの昔に終焉を告げ、脳細胞は減少しつづけ、 運動をしないとお腹が出てくるようになった。 この退化の過程の中で、魚の目だけが進化を続けていた。 魚の目がその大きな瞳で僕を見つめて話し掛ける。 「嫌いなものにいつまでも目をつぶっていちゃあ、駄目だよ」 そして僕は仕事を休んで、病院に行った。 |
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