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| 2002年02月02日(土) 不浄。 |
| 寒い日が続くとね、右手がね、ものすごく荒れるんだよ。 どうして右手だけなのかわからないけど、この季節になると決まって右手の指が 赤く腫れてあかぎれが出るんだ。 左手はどうしてなのかわからないけど、春も夏も秋も冬も全然変化しないんだ。 どうしてだろう。死んでるのかな。いろんな意味でね。ふふふ。 どこかの国では左手は「不浄の手」と呼ばれてるんだよね。不浄なんだね。ふふふ。 とにかく右手が痛いんだよ。顔洗ったり物を掴んだりハンドルを握ったりする時、 痛いんだよ。缶コーヒーを持つと、もの凄く熱いんだ。 だけど左手は平気なんだ。荒れてないから。傷ついていないから。 寝る前にはね、毎日ハンドクリームを塗って寝るんだ。 ハンドクリーム塗っちゃうと、手がベタベタしちゃうから、何も触われなくなっちゃうから、 もう寝るしかないんだ。 ハンドクリーム塗った後で本が読みたくなってもページが汚れちゃうから読めない。 だから本当に寝る寸前に塗るんだ。 下半身は布団の中、上半身だけ起きて、電気も消して、暖房も消して、 独り寂しくハンドクリームを塗るんだ。 左手の指にたっぷりクリームをつけて、傷ついた右手に塗るんだ。 毎晩毎晩。明日起きたら綺麗な指に戻ってたらいいな。って。 左手の指を、右手に擦りつける。 僕の右手のあかぎれは全然治らない。 だけど、 僕の左手の指はとても綺麗なんだ。 毎晩毎晩右手を治そうとその小さな左指にいっぱいのクリームをまとって 献身的に右手を慰め続けるんだ。 献身的になればなるほどその細い左指にはいっぱいのクリームをまとうことになる。 荒れた右手以上にクリームをまとうことになる。 だから必然的に左手はとても綺麗になる。 どこかの国では左手は「不浄の手」と呼ばれてるんだよね。 だけどそれは間違ってると思う。 不浄の手で正常に戻そうとするんだ。犠牲になって輝くんだ。 僕は、この荒れた右手も好きだけど、 荒れてない左手も大好きだ。 君がこの右手のように荒れてしまったら、 不浄な僕は、からだいっぱいにクリームをまとって、君を正常に戻すから。 |
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