2002年01月18日(金)  厭厭厭。
「ねぇ、私、なんか変わったでしょ」
 
久々に会う友人が言う。なんだかここ数日、外食ばかりしている。
毎日違う人と、毎日同じ物を食べている。
 
僕は一体、何をしているんだろう。何がしたいのだろう。
 
7歳も年上の艶やかな女性。
衝撃的な告白をした女性。
過去を償い続ける昔の彼女。
そして数ヶ月振りに会う友人。
 
場所はいつも一緒。店の中央に大きな水槽が佇む、このバー。
最近は、ワインをウェイトレスに選んでもらう。
今日は、赤がいいと思います。
今日は、白と料理が会うと思います。
 
僕にしてみれば、どっちだって一緒だ。
僕は一体、何をしているんだろう。何処へ向かおうとしているのだろう。
 
首が、痛い。
周りの人に言うと、心配するので、黙っている。
 
僕の車に衝突した女性は、高校生の子供が2人いるらしい。
それを聞いたとき、首のことは、黙っておこうと思った。
親は不甲斐ないところを、見せたらいけない。
高校生の子供に見下ろされるようになっては、いけない。
 
首の痛みと引き換えに、親という威厳を保たせようと思った。
僕は、僕の人生だから。
相手の女性は、そのひと本人だけの人生じゃないから。亭主がいて子供がいる。
僕にはまだ、何にもない。多分、このまま何も生まれないと思う。
 
「ねぇってば!聞いてるの?私、何か変わったでしょ!気付かないの?」
 
友人はパスタを口に運んでは、そのことばかり言う。
何が変わったかなんて全くわからない。久し振りに会うから、わからないのかもしれない。
だけど、少し、鼻が高くなったような気がする。
 
「そう!よく気付いてくれたわね!私整形したの!
鼻の筋がキレイに通ってるでしょ!ってバッカじゃない?そんなわけないでしょ!」
 
そんなわけないよなぁ。わからない。本当にわからない。
だけど、少し、目が大きくなったような気がする。
 
「そう!よく気付いてくれたわね!二重まぶたをね!ってもういいわよ!もういい!バカ!」
 
友人は本気で怒ってしまった。僕は本気で困ってしまった。
 
友人を家まで送るとき、ようやく口を開いた。
「今日、あなたと久し振りに会うから髪切ってパーマかけたのよ」
 
ほとほと自分が厭になった。

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