![]()
| 2002年01月14日(月) 成人――式。 |
| 夜勤明け。部屋に帰り、溜まった洗濯物にうんざりして、 ソファーに横になって、そのまま眠ってしまった。 ・・・ノックの音。 つけっぱなしのテレビからアンパンマンが笑っている。2時間くらい寝ただろうか。 ノックの音は、静かな心臓の拍動のように、定期的に、そして申し訳なさそうにドアを叩きつづけている。 「誰?」 僕は自分の声じゃないような沈んだ寝ぼけた声で言う。 ドアの向こうからの返事はない。ドアの曇りガラス越しに見える女性らしき姿。 ――仕事帰り、町を歩く晴れ着姿を見ながら、あぁ、今日は成人の日なんだ。 と考えていた。もう、6年も前の話。僕は成人の日の同窓会に出席できなかった。 当時の彼女の束縛が激しくて、毎日、一挙手一投足を監視されていた。 「あなたは私のモノ。同級生のモノじゃないの」 そういえば、そんな時もあったなぁ。と昔を思い出しながら 晴れ着姿を横目に疲れた身体で部屋に戻った。そして、ソファーに横になった―― そして、ノックが鳴った。 僕はドアを開けた。信じられなかった。昔の彼女が立っていた。 6年前の今日、僕の存在を1人で所持していた女性が立っていた。 もう、此処にいるはずのない女性。遠い遠い所へ行ってしまった女性。 非通知設定で電話をかける女性。住所のない手紙を送る女性。 左手には、僕と同じ形の、あの時の、指輪。 「ちょっと実家に帰ってきて、近くに来たから、寄ってみたの」 僕は彼女を部屋に招いた。そして |
| 翌日 / 目次 / 先日 |