2002年01月04日(金)  水を得た魚のように。
昼休みに入る前、僕あてに電話が来た。
「また女の子だよ〜。今度は何をやらかしたのかなぁ〜」
看護婦さんがニヤニヤしながら受話器を渡す。
 
何もやらかしてないから堂々と胸を張って受話器を取ればいいんだけど、
僕は先天的に気が小さいので、
僕の知らないところで、僕の知ってる人が、僕に関係のあることで、トラブルを起こしたんだ。
などと考えてビクビクするのである。
 
「明けましておめでとうございます。○○不動産です」
不動産屋のおばちゃんだった。まぁ、そりゃあ、女性だけど。
しかし、職場に電話がくるって珍しい。家賃も滞納したことないし。
どうしたのですか?
 
「あなたの部屋の下の会社(僕の住んでるアパートは1階が店舗になっている)
から、屋根から水漏れがするって電話がきたのよ。で、水道出しっぱなしじゃないかしらと思って」
え。ということは、僕の部屋が水浸しってことですか?
「そういうことかもね」
そういうことかもね。って。
 
昼休みの時間になり、僕は飛ぶようにアパートに帰る。
不動産屋のおばちゃんの「そういうことかもね」という言葉が頭の中でリブラートする。
しかし水道出しっぱなしにして部屋を出たなんて記憶がない。
 
だけど僕は先天的に気が小さいので、
僕の記憶に、残っていないだけで、今朝はちょっぴり、寝坊しちゃったから、
慌てて、歯磨きしたとき、水道の蛇口をひねったまま、部屋を出たのかもしれない。
などと考えてビクビクするのである。
今頃、僕の部屋は、水槽のようになっていて、冷凍庫の魚も、解凍されて、
元気よく、ソファーの上あたりを、泳いでいるんだ。
などと、もう、よくわからない被害妄想まで出てくる始末である。
 
15分後、部屋に到着。慌ててドアの鍵を開ける。
 
 
いつもと変わらない部屋。
 
 
蛇口もひねっていないし、水浸しでもない。もちろん魚も冷凍庫で凍ったまま。
 
これだけ焦って心配して昼休みに飛ぶように家に帰ってきたのだから、
ちょっとくらいは水漏れしててほしかったなぁ。

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